研究課題/領域番号 |
19K20756
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補助金の研究課題番号 |
17H06648 (2017-2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2017-2018) |
研究分野 |
高齢看護学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
麦田 裕子 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (00804874)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 失禁関連皮膚炎 / アンモニア / 尿素分解酵素 / 細菌 / 尿素 / 失禁 / 皮膚生理機能 / パッド / 看護学 |
研究開始時の研究の概要 |
細菌による尿素分解抑制効果を有する新規パッドのIAD予防効果の検証するために、臨床研究を実施する ・研究デザイン:ランダム化比較試験 ・対象者:尿失禁/尿便失禁を有しおむつを使用している65歳以上の患者 ・研究方法:ベースラインにて皮膚状態を観察・測定後、介入群(細菌による尿素分解抑制効果を有するパッド)および対照群(従来パッド)に割り付け、それぞれパッドを継続して使用する。一定期間の介入の後、使用 後パッドの状態および皮膚状態を観察・測定する。 ・アウトカム:IAD発生率、IAD重症度、使用後パッド内 pH・におい・生菌数、皮膚 pH、皮膚浸軟指標、皮膚バリア機能低下指標、掻痒感および潜在的炎症の評価
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研究成果の概要 |
細菌による尿素分解に着目した新たな失禁関連皮膚炎予防法の確立を目指した。 1. 抗菌剤およびウレアーゼ阻害剤添加が細菌による尿素分解の抑制する効果を検証した(in vitro実験)。結果、抗菌剤とウレアーゼ阻害剤の両者を一定濃度以上添加することで、尿素分解によるアンモニア産生が抑制され、皮膚およびパッドpHの上昇抑制に貢献する可能性が示唆された。 2. 細菌による尿素分解抑制をコンセプトとし試作したパッドの性能を検証した(in vitro実験)。結果、細菌含有尿の滴下後4時間までの抗菌性能およびpH上昇抑制能が認められた。失禁関連皮膚炎予防を目的とした新規パッド開発につながる重要な知見が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢者は失禁を有する方が多く、また、皮膚構造の変化に伴う皮膚機能の低下も有することから、高齢者はIAD発生リスクが極めて高い。実際、失禁を有する高齢者のIAD有病率は高く、有効な予防法の開発が喫緊の課題である。 本研究では、IAD予防に効果的なパッドを開発する基盤として、尿素分解によるpH上昇を抑制するというコンセプトの有効性を明確化した。今後、このコンセプトに基づき開発された新たなパッドの使用により、失禁を有する高齢者におけるIAD発生率あるいは重症度が低減することが予想される。IAD予防における新たな介入方法を臨床に提示することができ、IADに苦しむ高齢者の利益に直接貢献できると期待される。
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