研究課題
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本研究では、「少なくとも一部の精神疾患患者においてはミクログリア過剰活性化が起こっており、アリピプラゾールなどの向精神薬、あるいは、フィンゴロミド(FTY720:TRPM7阻害作用あり)などによるミクログリアTRPチャネルを介したミクログリア活性化制御が治療になるのでは?」という仮説を立て、精神疾患関連モデルマウス実験とともに、精神疾患患者由来iMG細胞を用いた橋渡し研究による双方向性アプローチで仮説解明を志す。
アリピプラゾールやフィンゴロミドによるTRPチャネルを介したミクログリア活性化制御が精神疾患治療になるという仮説解明のため、モデルマウス実験とともに精神疾患患者由来iMG細胞を用いた双方向性研究を行った。統合失調症関連モデルであるCuprizone投与マウスで、特定の脳部位でのミクログリア活性化を認め、アリピプラゾールおよびフィンゴリモドの投与により、特定の脳部位でその活性化が抑制された。精神疾患患者由来iMG細胞にアリピプラゾールおよびフィンゴリモドを投与してその細胞活性化を評価し、活性化抑制を一部の患者由来iMG細胞で認めた。症例数を増やしての妥当性検証が必要である。
従来、精神疾患の治療ターゲットは神経シナプスであったが、本研究では神経シナプスにも影響を及ぼす脳内免疫細胞ミクログリアを介した新しい治療機序を見出そうという点で先進的な試みであり、今回のモデル動物および患者由来iMG細胞を用いて萌芽的な興味深い結果を得ており、今後のミクログリア活性化制御を介した治療薬創出が期待される。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 5件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 4件) 図書 (1件)
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