研究課題/領域番号 |
19K20764
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補助金の研究課題番号 |
17H07212 (2017-2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2017-2018) |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
設楽 彰子 朝日大学, 歯学部, 講師 (30508718)
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研究期間 (年度) |
2017-08-25 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 唾液腺 / 細胞内輸送 / Cdc42 / 細胞極性 / in vivoイメージング / アクチン細胞骨格 / 小胞輸送 / エンドサイトーシス / 分泌顆粒 / 形態形成 / 発生 / 上皮 / 極性 / 管腔 / 再生医学 / 細胞・組織 / 歯学 / 発生・分化 / 動物 |
研究開始時の研究の概要 |
唾液腺は唾液をつくる腺房と、それを口腔内まで輸送する導管からなる。腺房細胞は導管細胞より外来ストレスに弱く、口腔がん治療時の放射線照射などによりダメージを受け、唾液分泌量低下による口腔乾燥症を引き起こし、QOLの低下を招く。以前の研究で研究代表者は腺房細胞を形成する際、Cdc42という分子が重要な役割を果たすことを明らかにした。そこでこの研究では、Cdc42がどのような仕組みで腺房細胞の形成をコントロールしているのかを遺伝子を改変したマウスを解析することにより明らかにする。この研究から放射線照射などによりダメージを受けた唾液腺を再生する技術を開発するための重要な基本情報が得られると考えらえる。
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研究成果の概要 |
唾液腺の発生過程におけるCdc42の役割を明らかにするため、Cdc42ノックアウトマウスの腺房細胞の発生過程を蛍光顕微鏡を用いて解析した。その結果、腺房細胞の成長過程においてCdc42は、エンドサイトーシスを抑制的に制御することにより腺腔側膜の形成を調節することが示唆された。 さらに我々はCdc42をノックアウト細胞の微細構造を解析するため、透過電子顕微鏡による解析を行った。その結果Cdc42のノックアウトにより、分泌顆粒が小型化し、数が2倍程度増加することが明らかになった。このことからCdc42は分泌顆粒の生合成または成熟にも分泌顆粒の生合成や成熟にも関与することが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では唾液腺発生の後期に始まる腺房細胞発生機構に着目し、低分子量Gタンパク質であるCdc42が細胞内輸送の制御を介して腺房細胞の腺腔側膜の形成に重要な役割を果たすことを示した。これまで障害を受けた唾液腺を再生する技術を開発するために、唾液腺の発生機構の解析が行われてきた。本研究成果は発生前期の分枝形態形成期の唾液腺を用いた従来の多くの研究と、成熟した唾液腺組織の間のギャップを埋めるものであり、この研究から唾液腺の再生療法の確立に大きく前進する「Cdc42依存性の腺房細胞の発生機構」という新規の重要なトピックが提供された。
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