研究課題/領域番号 |
19K20766
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補助金の研究課題番号 |
18H05555 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
平岡 紘 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 助教 (00823379)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | レヴィナス / 現象学 / 自己性 / 人間主義 / 記号 / フランス哲学 / 音 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、E・レヴィナスが1960年代後半以降の後期思想において標榜する「他者の人間主義」の内実と独自性を明らかにすることを目的とする。レヴィナスは同時期のフランスの現象学者たち(M・デュフレンヌら)と思想的に対話することを通じて自らの思索を深めていった。この点に着目し本研究は、人間をめぐる後期レヴィナスの思索を体系的に分析すると同時に、フランス現象学者たちの人間観の布置を描きそこにレヴィナスの思索を位置づけることにより、人間と自然の関係および人間固有の特性である自己性について後期レヴィナスの人間観の内実と独自性を解明し、「人間であるとはどういうことか」という問いに一つの哲学的応答を提供する。
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研究成果の概要 |
本研究は、第二大戦後のフランスで活躍した哲学者エマニュエル・レヴィナスが提示した人間をめぐる思索の内実と独自性を、同時代のフランス現象学に照らして考察した。本研究は第一に中期主著『全体性と無限』において人間の自己性の形象として導入される「自己のもとでの現前」という概念の内実を解明し、第二に、人間の理性をめぐるレヴィナスの思索の内実を考察することを通じて、記号をめぐる彼の分析がどのように彼の音の現象学と連関しているかを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、従来のレヴィナス研究において注目されてこなかった「自己のもとでの現前」という概念および記号をめぐるレヴィナスの分析に着目し、その意義を明らかにした点に学術的意義がある。また、近年、再生医療技術や人工知能の発展により「人間であるとはどういうことか」という問いが改めて喫緊の課題として現れているが、本研究の成果は、この問いに対して一つの哲学的な応答を提示するための基盤となる知見である。
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