研究課題/領域番号 |
19K20769
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補助金の研究課題番号 |
18H05559 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
北村 匡平 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 准教授 (70826502)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 子供 / 清水宏 / イデオロギー / メディア / ナショナリズム / プロパガンダ / 国策映画 / 戦後民主主義 / 映画 / 民主主義 / 占領期 / ポスト占領期 / ジェンダー / 児童映画 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、軍国主義が高揚した戦時期から、敗戦を経て戦後民主主義国家として再生した占領期、さらにその後の50年代以降における映画/映像において、「子供」がどのように表象されてきたのか、さらにそのイメージがどのように価値づけされてきたのかを分析することで、メディアを通じた国民意識を歴史的に検証するものである。 しばしばこのようなイデオロギーの分析は、ジェンダー研究の枠組みで女性に焦点があてられることが多かったが、本研究では「子供」に着目することで、時代ごとの規範やその変遷を捉えることが目指されている。
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研究成果の概要 |
本研究は、1940-50年代の日本映画において「子供」がいかに表象され、どのように受容されたのかを歴史的に調査することによって、戦時期のナショナリズムや戦後民主主義の思想体系に「子供」がどのように組み込まれていったのかを明らかにすることを目的とする研究である。 戦前から戦時中の一次資料のアーカイブを進めると同時に、「子供」について書かれた文献や雑誌の記事の調査をした。とりわけ戦中に「子供」を生き生きと捉え、独特な表現を達成した清水宏映画を分析した。その研究成果は日本映画学会において「メディアにおける戦後民主主義のイメージ:〈子供〉はいかに語られたのか」というタイトルで研究発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
上記の時期における映画と思想の関係は、プロパガンダ研究や占領政策の視点から研究され、特にジェンダー論の文脈においては女性表象が着目されてきた。本研究ではジェンダー化される前の「無垢」な子供が、総力戦体制や戦後民主主義の伝達のためのイデオロギーとして、いかに意味づけられ、包摂されていったのかを明らかにすることを重視した。なぜなら視聴覚メディアにおいて「子供」と社会の関係は、深く追究されないままの状態だったからである。こうした視座は、軍国主義/民主主義下の映像メディアを媒介に、いかにイデオロギーが形成されていったのかを異なる視点から浮かび上がらせ、戦中・戦後の文化研究に寄与することができる。
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