研究課題/領域番号 |
19K20770
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補助金の研究課題番号 |
18H05560 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
後藤 友香理 静岡大学, 教育学部, 講師 (10732951)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | ピアノ・レッスン / 演奏解釈 / 質的研究 / 演奏 / 楽譜 / 指導言語 / わざ言語 / 技能 / 知識 / 暗黙知 / レッスン / ピアノ / 専門的技能 / ピアノレッスン / ゴールドベルク山根美代子 / ピアノ教育 / 実技レッスン / ピアノ演奏 |
研究開始時の研究の概要 |
ピアノ・レッスンでは音や身ぶりなどの非言語コミュニケーションが多用され、言葉を用いたとしても、感覚を共有する者との間で通じる特殊な言い回しが使用されるケースが多い。その上、多くの場合レッスンはマンツーマンで行われており、そこでの内容が客観的な分析対象となることは困難であった。本研究は、高度に専門的なピアノ・レッスンにおいて、どのような音楽的なやりとりが行われ、弟子の音楽理解へとつながっているのかを、実際のレッスンや、弟子たちへの聞き取り調査の結果を質的に分析することで明らかにするものである。
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研究成果の概要 |
本研究は、プロの演奏家養成を目的とした高度に専門的なピアノ・レッスンにおいて、どのような音楽的やり取りが行われ、弟子の音楽理解へとつながっているのかを明らかにするものである。ピアニスト・指導者であったゴールドベルク山根美代子(1939-2006)のレッスンを対象とし、レッスンの分析および弟子たちへのインタビューを通して、本来言葉にすることの難しい演奏解釈というものを、指導者が独特な言語表現を用いて弟子に伝えようとしていたこと、そして弟子たちが言葉の理解(知性)と身体を通した理解(感性)の両面で師の演奏解釈を吸収していく過程を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
クラシック音楽の演奏研究の蓄積は作曲家・作品研究と比べ圧倒的に少ない。そもそも演奏が一回的な性格を持ち研究対象となりづらい点に加え、演奏解釈が個人の感性に基づいて作品に付け加えたものに過ぎない、とみなされてきたことが要因である。しかし実際には、楽譜に書かれざる演奏解釈や演奏習慣が師から弟子へと口頭伝承される中で演奏の歴史は形成されており、本研究におけるレッスン研究により、言語化しづらい演奏解釈の教授プロセスの一方法論を提示することができた。
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