研究課題/領域番号 |
19K20771
|
補助金の研究課題番号 |
18H05561 (2018)
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
早瀬 篤 京都大学, 文学研究科, 准教授 (70826768)
|
研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | プラトン / アリストテレス / 形而上学 / イデア論 / 真実在説 / イデア / 真実在 / 発展主義解釈 / 新統一主義解釈 |
研究開始時の研究の概要 |
紀元前4世紀に西洋哲学を確立したプラトンは「イデア論」を提唱したことで有名である。しかしその内実はあまり理解されていない。例えば「イデアは宇宙を超越しているのか、それともこの世界にあるのか?」「イデアは諸事物の原型なのか、それとも諸事物が共通にもつ特性なのか?」という問いにさえ、学者たちは同意していないのである。本研究は、そもそもプラトンの説を「イデア論」と呼び、またそう捉えることが、弟子アリストテレスの報告に強く依存したものであり、プラトン哲学の核心を捉え損なっていると考える。そこで、この呼び方を保留したうえで、プラトンのテクストそのものから、プラトンの形而上学説を解明することを目指す。
|
研究成果の概要 |
これまで学者たちは、アリストテレスの報告に依拠して、プラトンの形而上学的理論を「イデア論」と呼び、その中核に「イデア」(eidos/idea)があると見做してきた。それに対して本研究は、アリストテレスの報告を保留して、プラトンの著作内部からその究明を行った。プラトンのeidos/ideaは、「感覚されるもの」と区別される「知られうるもの」(これは「真実在」とその「可知的像」と呼ばれるものを含む)を指す広い概念であることを論証し、プラトン哲学の中核にあるのはeidos/ideaではなく、「真実在」であることを解明し、またプラトンの形而上学説を「真実在説」として理解する方向性を示した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
古代以来の伝統において、また現代の教科書的知識として、西洋哲学史を確立した哲学者プラトンの中心的思想は「イデア論」であると理解されてきた。しかし私は、このアリストテレスの報告に依拠する理解にもとづくと、プラトンの著作を整合的に理解できないこと、そしてむしろプラトン著作中の「真実在」を核とする哲学思想を読み取るべきであることを詳しく論じた。プラトン哲学における「イデア」(eidos/idea)の役割を読み替えることによって、西洋哲学史における基礎的諸問題の一つに関して新しい視点を提供した。
|