研究課題/領域番号 |
19K20781
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補助金の研究課題番号 |
18H05571 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 鹿児島大学 (2019-2020) 中京大学 (2018) |
研究代表者 |
藤井 千佳世 鹿児島大学, 総合科学域総合教育学系, 助教 (10569289)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | フランス科学認識論 / 倫理学 / シモンドン / カンギレム / 個体 / 倫理 / 科学者の責任 / ネオテニー / 科学 / 医の哲学 / 個体概念 |
研究開始時の研究の概要 |
生命科学の発展に伴う個体概念や人間観の変化は、従来の人生観や死生観の根本的な転換をも迫るものであり、その中で、こうした変化に見合う新しい倫理学の枠組みが必要とされている。本研究は、そうした倫理学の可能性を、個体概念に焦点を当てながら哲学史的に考察するとともに、現代科学との連関の中で新しい個体概念を提起している幾つかの思想の中に探る。具体的には、現代フランス科学認識論のカンギレム、シモンドンの哲学を考察の対象とし、彼らの科学認識論の倫理学的射程について研究する。さらに現代生命科学が要請する新しい個体概念を、哲学史的にどのように位置づけることができるか検討する。
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研究成果の概要 |
本課題の研究目的はフランス科学認識論、特にカンギレムの医学哲学とシモンドンの個体化論の倫理学的射程を明らかにすることである。本研究において次の点が明らかになった。1/カンギレムの医学哲学と、従来の倫理理論、生命倫理学との射程の違い、2/シモンドンの個体化論における生物学的着想の倫理学への展開、3/カンギレムの医学哲学における個体主義と科学者の責任の問題の連関。 一連の研究から、科学思想史の領域に留まらない、フランス科学認識論の倫理学的意義が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
カンギレムやシモンドンの倫理学のベースにあるのは、環境に対峙し、立ち止まりながら、環境に合わせて自らを変容せざるを得ないような主体(生命個体)である。従来の哲学、倫理学において、このような流動的な主体は消極的に理解されてきたが、カンギレムやシモンドンの哲学においては、個体は、個体化の一つの位相でしかあり得ないからこそ、倫理的に積極的な価値のあるものとみなされる。一連の研究から、人間主義や人格主義とは異なる、生命個体を基底とする倫理学の可能性を具体化したという点において、科学思想史の領域に留まらない、フランス科学認識論の倫理学的意義が明らかになった。
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