研究課題/領域番号 |
19K20782
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補助金の研究課題番号 |
18H05572 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0101:思想、芸術およびその関連分野
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研究機関 | 佛教大学 |
研究代表者 |
中西 麻一子 佛教大学, 総合研究所, 特別研究員 (70823623)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | インド仏教史 / インド仏教 / 南インド / カナガナハッリ / 仏教美術史 / 仏教図像学 / 仏伝図 / 仏伝 / 仏教美術 / インド美術 / 仏教説話 / インド仏教美術 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、紀元前1世紀から紀元後3世紀頃の南インドへの仏教伝播の実態に迫るため、同時代に造営された南インド・カナガナハッリ大塔から新出した考古資料の集成および解明を目的としている。 具体的な方法としては、(1)カナガナハッリ大塔やその周辺地域に点在する仏教遺跡の実地調査、(2)新出した出土品と碑文の資料整理ならびに研究史料の追加更新、(3)出土したレリーフに描写される図像表現の文献資料への比定を行う。これら3点を遂行することで、カナガナハッリ大塔に伝播した仏教がどのような様相であったのかを考察する。
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研究成果の概要 |
2年間の研究期間中に、インド政府考古局の調査許可証のもと、2回のカナガナハッリ大塔の実地調査と、8カ所の博物館およびバールフット遺跡での資料収集を行った。カナガナハッリ大塔では、未報告の出土品と碑文を撮影し、それらの配置図を記録して、基礎史料の更新を行うことができた。これらの新資料を用いて、カナガナハッリ大塔の仏伝図研究を行った。研究成果は、(1)『義足経』における因縁物語―第10経と第14経に説かれる因縁物語とその図像表現―、(2)カナガナハッリ大塔におけるスジャーターの乳糜供養説図について、(3)南インドにおける成道図の図像表現―満瓶をてがかりとして―と題した3つの論文として発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義は、紀元前1世紀~紀元後3世紀の南インドへの仏教伝播の様相を、同時代資料の提供が可能なカナガナハッリ大塔の考古学的出土品から読み解くことができた点にある。文献と図像の両資料の伝承過程上に、カナガナハッリ大塔の仏伝図を位置付けて分析することで、南インドにおける仏教の特色を具体的に提示した。これら新出の仏伝図を古代インドにおける希少な無仏期の作例に加え、インド仏教史を考究する上での新たな視点と研究資料を提供している。
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