研究課題/領域番号 |
19K20786
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補助金の研究課題番号 |
18H05577 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
日高 知恵実 金沢大学, 人間社会研究域, 客員研究員 (70825174)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 漢語方言 / 3D言語地図 / 言語地理学 / 社会言語学 / 地域差 / 世代差 / 言語変化 / 徐州 / 徐州方言 / 方言 / 3D / 社会言語地理学 / 中国語 / 言語地図 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、中国・江蘇省の徐州方言を対象とした「3D言語地図」を作成し分析することで、この地域のことばの実態と動態を明らかにするものである。 「言語地図」とは、ことばの地理的な分布を地図上に示したものである。従来の研究では二次元の平面的なものが主流とされてきたが、本研究ではこれにもう一つ世代差の軸を加えて三次元化する。これにより、ことばの重層性を視覚的に捉えることが可能となる。使用する方言データは、申請者が実地調査をおこなって収集したものである。 こうした試みは、言語地理学という学問分野に新たな研究手法を提示するとともに、漢語方言研究あるいは中国語や言語研究一般に対する貢献も期待できる。
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研究成果の概要 |
本研究は、中国江蘇省徐州方言のデータをもとに、実際に「3D言語地図」の作成した上で、この地域の方言の実態および動態を社会言語地理学的観点から分析したものである。従来型の平面的な言語地図では、通常一枚の地図に同世代の言語データのみを並べるが、Z軸に世代差を設けて三次元化したことで、ことばの地域差と世代差を直感的・視覚的に捉えることが可能となった。分析を通じ、この地域における「東西対立」や「等語線」、同音衝突を回避するための「相補分布」の存在、また言語変化の実態や新たに生まれた方言語形なども明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果の学術的意義は次の2点である。(1)地域差と世代差を同時に示す「3D言語地図」の作成を試行することができた。これは言語地理学的研究の発展に寄与できるもので、Z軸の空間に複数の要素を積み重ねた「複合的3D言語地図」の実現に繋がる一歩となった。(2)中国の漢語方言研究は日本の方言学のように地域差・世代差の両面から言語変化を考察する研究が未だ少ない。本研究では多人数調査によって得られた言語データをもとに、これを実践した。その結果、分布の特徴や現在進行中の言語変化の特徴について言及することができた。
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