研究課題/領域番号 |
19K20793
|
補助金の研究課題番号 |
18H05584 (2018)
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
|
研究機関 | 大東文化大学 |
研究代表者 |
三野宮 春子 大東文化大学, 文学部, 特任准教授 (90632406)
|
研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 審美的距離 / 外国語教育 / アクティビティ開発 / 会話分析 / 創造的言語使用 / 創造 / 英語教育 / アクティビティ / 談話分析 / 即興 / 談話 / インプロ |
研究開始時の研究の概要 |
即興劇(インプロ)とは筋書きのないドラマで、今この瞬間に出現しつつあるストーリーを演じながら創っていくような創造的コミュニケーション活動である。刻々と変化し先が読めない意味状況に覚醒し、失敗のリスクを恐れず直感的に反応し合う協働の過程は、即興的・協働的に展開される日常会話を審美的に洗練させたものである。それならば、即興劇の演者たちが共有している原則や技法を応用して、訓練主義に陥りやすい外国語学習を変えるためのヒントを見つけられないだろうか。本研究は、応用演劇で言及されるものの必ずしも明確に説明されていない「審美的距離」という概念に接近しつつ、それを取り入れた英語アクティビティの開発を目指す。
|
研究成果の概要 |
本研究は、外国語学習における相互行為の活性化を目指し、即興劇の手法を応用して審美的距離が構造に埋め込まれたアクティビティの開発を行った。文献調査や既存ゲーム調査の過程で開発課題を特定し、体験型ワークショップ「英語アクティビティ工房」を定期的に開催して、アクティビティ試用とデータ収集を繰り返した。活動過程の逐語記録を作成し会話分析を行った結果、<現実を生きる自己>と<虚構空間で表現する自己>との隔たりによって、リスキーな表現にも臆せず挑戦する様子が確認できた。 本課題の一部として、アクティビティ開発場面で活用されるエビデンスを考察する研究や、アクティビティ体験のリフレクションの研究も実施した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の鍵概念である「審美的距離」は、芸術と現実を隔たてる様々な技法や装置が絵画や詩を鑑賞する人に与える影響を指して美学において論じられることが多く、表現者側にとってどのような意味を持つかは、それほど注目されてこなかった。また、一部の応用演劇実践者のあいだでは、安全な自己開示を支える虚構の効用と、表現者のリスク取りを支える配慮が重視されているが、学術的検証はまだ十分に行われているとは言えない。さらに、審美的距離の外国語教育への応用に至ってはほぼ手付かずと言える状況で、本研究は先駆的役割を果たした。What a day!!やPS&Uをはじめとする自作アクティビティも本研究の成果である。
|