研究課題/領域番号 |
19K20801
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補助金の研究課題番号 |
18H05593 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所 |
研究代表者 |
中澤 光平 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 言語変異研究領域, プロジェクト非常勤研究員 (90824805)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 淡路方言 / 四国方言 / 西日本 / 方言区画論 / 系統論 / 南海道 / アクセント / 方言地図 / 西日本方言 / アクセント単位 / 付属語 / 子音体系 / 格標識 / 日琉諸語 / 高知方言 / イントネーション / 方言区画 / 言語系統論 / 歴史言語学 / 近畿方言 / 中国方言 / 方言系統論 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、日本語の方言のうち、淡路方言が歴史的にどの方言と近い関係にあるかを明らかにすることと、西日本方言に分類される近畿方言、中国方言、四国方言それぞれの範囲を確定することである。 淡路方言はこれまで近畿方言に分類されてきたが、兵庫県や和歌山県の諸方言とともに、京都や大阪などの近畿中央部の方言よりも、むしろ中国地方や四国地方の諸方言と歴史的に近い可能性が高くなった。 そのため本研究では、歴史的な観点から方言の範囲を整理し直し、淡路方言と他の方言の歴史的な関係を明らかにするのに必要なデータを収集するため、近畿、中国、四国各地で、伝統的な方言の特徴を保持する高齢者へ調査を実施する。
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研究成果の概要 |
淡路方言の系統的位置づけの解明および西日本諸方言の方言区画の再検討のため、西日本各地での方言の現地調査と資料調査を行った。淡路方言については、四国方言と近縁である可能性が高いこと、和歌山方言とも系統的に近い可能性がある結果が得られたが、中国地方の諸方言はこの地域固有の改新と見られる特徴があり、方言区画としては、現時点の仮説として、1.近畿中央部、2.近畿周辺部(四国を含む)、3.中国(雲伯を含む)が想定されるものの、中国地方は議論の余地がある。 関連して、各地の方言の共時的分析も行った。特に、高知県南国方言で文末詞「ガ」による無核化を確認し、その範囲について詳細な調査を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は系統論に基づく方言区画論を目指し、日本列島におけるヒトの移動史を明らかにしようと試みるもので、関連する他分野にも有用な情報を提供し得る。淡路が四国だけでなく和歌山との方言的に近縁となれば、それをもとにヒトの移動史を構築する必要がある。 各地で伝統的に話されてきた方言は今後数年以内に消失してしまう可能性が高く、話者が健在な今のうちに記録する必要がある。方言話者にとっても、自分たちの言葉のこれまで気づかなかった特徴の発見など、方言の魅力への理解が深まることも予想される。地域振興やアイディンティティの確立としての役割も考えられる。今後、南海道をキーワードとしたイベントの創生などが期待される。
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