研究課題/領域番号 |
19K20808
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補助金の研究課題番号 |
18H05601 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸市外国語大学 |
研究代表者 |
岡野 要 神戸市外国語大学, 外国学研究所, 非常勤講師 (40828050)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | スラヴ諸語 / 危機言語 / 言語変化 / 語源 / 語彙論 / 言語接触 / ヴォイヴォディナ・ルシン語 / ルシン語 / 動詞 / 語源研究 / ミクロ文章語 / ヴォイヴォディナ / 移動動詞 / 語彙化 / スラヴ語 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、スラヴ系少数言語であるヴォイヴォディナ・ルシン語の基本的な動詞語彙の意味と語源を、体系的に記述・分析することを主な目的とする。ヴォイヴォディナ・ルシン語の語彙の研究は、接触言語からの借用語の研究を除けば、その数が大きく限られており、とりわけ動詞語彙に関する共時的・通時的研究はこれまで行われてこなかった。本研究ではヴォイヴォディナ・ルシン語の基本的な動詞語彙を(1)共時態レベルでみた個々の語彙の意味と体系、(2)通時態レベルでの個々の語彙の語源と意味変化、(3)近隣言語との接触に起因する語彙の意味変化と借用の関係の3つの観点から考察し、ルシン語研究の基盤の構築を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、ヴォイヴォディナ・ルシン語の基礎的な動詞語彙の意味を通時および共時の観点から分析した。これまで辞書を除けば詳細な研究のなかったルシン語の動詞語彙について、語源から見た他のスラヴ語との共通性、意味変化の規則性、現代語における語彙の分布といった点を取り上げ、辞書や文法書の記述にはなかった語彙間の意味の対立や各概念の語彙化パタンの体系性を中心に考察を行った。具体的には、移動動詞と感覚動詞を取り上げ、〈移動〉や〈感覚〉といった概念が語源的には共通スラヴ語から継承された語彙が用いられるが、ほかのスラヴ語と部分的に共通しつつもルシン語独自の発展やルシン語独自の用法が見られることを指摘した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の対象となっているヴォイヴォディナ・ルシン語は、話者が1万5千人ほどしかおらず、近い将来消滅することが危惧される危機言語である。このような言語の語彙体系を記述・分析することは、ルシン語の保持や系統的にも地理的にも関連する他のスラヴ諸語・ヨーロッパ諸語の研究のために意義があるだけでなく、社会的に優位にある言語(国家公用語・地域公用語)の影響下に置かれる少数言語がどのような変化を被るか、またどのように言語(および民族文化・アイデンティ)を維持していくかを捉えるために非常に重要なことでもある。
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