研究課題/領域番号 |
19K20812
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補助金の研究課題番号 |
18H05606 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
今井 祐子 (高柳祐子) 東洋大学, 文学部, 准教授 (60821973)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2018年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 公宴御会 / 懐紙 / 短冊 / 歌会 / 後柏原天皇 / 和歌 / 室町 / 公宴 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は二つの柱から成る。一つ目は、後柏原天皇代を中心に、歌会のデータベースを作成することである。二つ目は、従来は十分にいかしきれていなかった多くの資料を的確に用い、和歌の詠まれた場としての歌会の解明をおこなうことである。一つ目の柱で作成したデータベースは、その一助となる。さらに、この二つの柱によって、最終的には和歌史の展開を見通すことを目指している。
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研究成果の概要 |
公宴歌会(宮中で行われた晴儀の歌会。鎌倉時代後期から正式な制度として始まるが、室町時代にその整備が行われた)の開催実態に迫ることが研究の目的である。当初の予定通り、後柏原天皇代(室町時代後期、公宴御会の整備に力を注いだ)に行われた公宴歌会に関して、『実隆公記』、『元長卿記』、『言継卿記』などの公家日記や私撰集、私家集、文書、短冊、懐紙類の集成によって、その実態に迫ることが出来た。これらの中には、従来ほとんど知られていなかった資料も含まれる。これにより、後柏原天皇が公宴歌会の制度を整備した天皇として位置づけられ、現在の宮中歌会始の直接のルーツとも評価できることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
国民の和歌(短歌)への関心の高まりは、宮中歌会始の応募数が平成以降右肩上がりに増加していることからもうかがえる。宮中歌会始のごとく、厳格なルールに則って行われる儀式が、文学(創造)と無理なく融合するという形式は、我が国に特有の文化である。そういった日本人の心性が何に由来するのか、和歌や歌会の制度化の過程を解明することで知ることができる。 また、これまでの和歌研究では、表現のありようにもっとも注意が払われてきたが、歌会という発表の「場」が歌人の表現を規定する面があったという指摘を通じて、表現の独創性や類似性ばかりに注目する研究動向に一石を投じることができたと思う。
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