研究課題/領域番号 |
19K20814
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補助金の研究課題番号 |
18H05608 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 盛岡大学 (2019) 早稲田大学 (2018) |
研究代表者 |
山崎 薫 盛岡大学, 文学部, 助教 (90822958)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 異本梁塵秘抄口伝集 / 郢曲抄 / 宮廷歌謡 / 芸能 / 古典籍 / 平安期宮廷歌謡 |
研究開始時の研究の概要 |
平安期に流行した宮廷歌謡には、神楽歌・催馬楽・東遊歌・風俗歌・朗詠・今様などがある。これらの歌謡の研究に関しては、民俗学や文学の領域からの成果があげられてきた一方で、音楽資料の収集・調査が十分になされてこなかった。そのため、宮廷歌謡が、どのように演奏され、伝承されていたのか、という問いについては、未だ実証的に解明されていない。 本研究では、研究が立ち遅れている歌謡の書、『異本梁塵秘抄口伝集』(『梁塵秘抄口伝集』巻第十一~十四)に注目し、その基礎的研究(諸本調査、翻刻、本文校訂、注釈)を進めることで、平安末期における宮廷歌謡の実態の解明に繋げる。
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研究成果の概要 |
『異本梁塵秘抄口伝集』(『梁塵秘抄口伝集』巻第十一~巻十四)の基礎的研究(諸本調査、翻刻、本文校訂、注釈)を進展させた。研究期間を通して、九種類の伝本の所在を確認し、調査・翻刻を行った。さらに、第十一については、伝本間の本文の比較を行い、校訂を施した。巻第十一には、『梁塵秘抄口伝集』以外に、『郢曲抄』や『梁塵秘抄』といった名称で伝わっているものが見られ、前者と後者の間には大きな本文の異同が確認できた。本文内容の検討により、前者の本文がより古い形態であることを明らかにした。また、後者の本文は、『多家秘書』に収められたことによって流布した可能性が高いことを指摘した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の宮廷歌謡の研究においては、民俗学や文学の領域からの成果が大きかった反面、音楽資料に基づく実証的な議論や歌謡の動態性に対する把握が不十分であった。本研究の成果は、実証的な方法で平安期宮廷歌謡の実態やその受容の解明に迫るものであり、学術的に大きな意義を持つ。 また、平安期宮廷歌謡は、地方諸国の民謡を源とするという点から、文化史・文学史において周縁的なものとして位置づけられがちであるが、中央の文化・文学に対して重要な影響を与えてきたことが明らかである。研究の進展は、日本の地域文化の再発見や活性化にも貢献すると考える。
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