研究課題/領域番号 |
19K20817
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補助金の研究課題番号 |
18H05611 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0102:文学、言語学およびその関連分野
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研究機関 | 沖縄工業高等専門学校 |
研究代表者 |
崎原 正志 沖縄工業高等専門学校, 総合科学科, 講師 (30828611)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2018年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
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キーワード | 琉球諸語 / モダリティ / 沖縄語 / 国頭語 / 本部町方言 / 山里方言 / 確認要求 / 終助辞 / 表出法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、那覇市首里方言や本部町山里方言等の4つの沖縄地方の方言を対象に、「会話文」にみられる「モダリティ」について総合的な記述研究を行う。従来の研究のように、場面から切り離された文脈のない文の意味を記述する方法では、様々なタイプの文が記述できない。例えば、「さあ、食べろ」は基本的には「命令」を表す命令形だが、「食べていい?」の後では「許可」を表したり、相手にとって食べるという動作が不可能な状況(身動きできない等)では「挑発」を表したり等、場面によってその意味は多様に変化する。このような場面にしばられた文全体の意味を「モダリティ」と呼ぶ。文のモダリティを細かく分析し文の多様性を深く知る。
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研究成果の概要 |
沖縄語首里方言における形態論的研究では〈命令〉といえば「命令形」、〈勧誘〉といえば「勧誘形」といった〈文の機能〉と「述語の形式」が一対一の関係で記述されてきた(その〈文の機能〉をモダリティと呼ぶ)。しかし構文論的研究において、〈命令〉の機能は「命令形」だけでなく、「否定質問形式(~しないか)」や「必然形式(~しなければならない)」等、他の多くの述語の形式を用いた文によっても表すことができることを明らかにした。本研究では、沖縄語・宜野湾市宜野湾方言および国頭語・本部町山里方言を対象言語として、モダリティに関する包括的な調査を行い、各対象言語・方言の様々なタイプの文を記述・解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本語の包括的なモダリティ研究である宮崎和人ほか(2002)『モダリティ新日本文法選書4』や日本語記述文法研究会編(2003)『現代日本語文法4モダリティ』を基礎的研究とし、姉妹言語の琉球語に属する沖縄首里方言、宜野湾方言、山里方言のモダリティについて包括的な調査と記述を実施し、琉球語のモダリティ研究の手本を示した。絶滅の危機に瀕した琉球語を普及させるために必要不可欠な文法書や辞典、教科書を作成するための基礎的研究として活用でき、学術的にも社会的にも寄与できる。
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