研究課題/領域番号 |
19K20821
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補助金の研究課題番号 |
18H05615 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
根本 みなみ 筑波大学, 人文社会系, 特任研究員 (70824324)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 近世大名家 / 官位昇進 / 毛利家 / 家臣団統制 / 萩藩 / 昇進運動 / 山口県文書館 / 官位 / 大名家 / 御家 / 家臣団 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は18世紀末以降に展開された大名家による官位上昇運動という場面に着目し、官位の昇進という出来事が大名・家臣、他大名家との関係性のなかでどのように評価されていったのか明らかにすることを目的とする。この目的達成のため、本研究では官位獲得という出来事がどういった意味を持つものとして受け止められていったのか、大名・家中双方が作成した史料を用い、その内容を比較検討することを通して、大名・家臣双方の視点からの分析を行う。 これらの分析を通して、近世後期から幕末期にかけて社会変容に伴う「御家」という近世的秩序の歴史的展開を展望する。
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研究成果の概要 |
本研究は近世大名家における「慶事」、特に大名の官位昇進という場面に着目し、その意義が家臣も含めた共同体である「御家」全体でどのような意義を付与されたのかという点を明らかにすることを目的とするものである。19世紀初頭からの幕府の婚姻政策のなかで、大名官位をめぐる秩序が大幅に乱された。これを踏まえ、本研究では、こうした縁戚関係を通じた昇進に対する家臣団による否定的な見解の存在を指摘した。その上で、昇進をめぐる儀礼の内容を分析することで、大名家が官位昇進を共同代全体の慶事であると印象づけ、昇進実現に向けた縁戚関係を通じた働きかけの存在を排除する動向を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近世大名家では、官位昇進や大名婚姻等、大名自身をめぐる「慶事」が家臣団も含めた共同体のなかでどういった意味を持ちうるのかという点が長く議論されてきた。本研究はこうした議論を踏まえた上で、大名自身の「慶事」が家臣団内部でどのように共有されていくのか、また共有されない情報があるとすれば、それはどういった種類のものであったのかという観点から大名の官位昇進をめぐる一連の動向を再検討した。 この点について解明するということは、「慶事」の意義を共有する回路を具体的に明らかにするとともに、「慶事」の意義を付与するという行為自体の有する政治性への着目の必要性を提示するものであると言える。
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