研究課題/領域番号 |
19K20828
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補助金の研究課題番号 |
18H05622 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
松本 充弘 神戸大学, 人文学研究科, 特命助教 (10824518)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 畿内在郷町 / 平野郷町 / 譜代藩政 / 古河藩 / 陣屋 / 添知 / 地域歴史資料 / 地域歴史遺産 / 在郷町 / 惣会所 / 大坂周辺地域 / 陣屋元 / 調達銀 / 天保上知令 / 被災資料 / 大坂城代 / 天保期 / 上知令 / 地域史 / 安政期 / 郷町改革 / 藩政 / 碑文史料 / 浄瑠璃作品 |
研究開始時の研究の概要 |
畿内・近国地域はその経済的先進性に加えて、大藩が広大な所領を支配することがない「非領国」として早くから研究者の関心を集め、幅広い研究が蓄積されている。一方、当該地域にあって全国市場である大坂を取り囲む形で存在した在郷町については、自治性を喪失していくと結論づけられた近世前期より以降の運営実態に関する研究が乏しい。そこで、本研究では畿内・近国地域の代表的な在郷町である平野郷町を「陣屋元の在郷町」という分析視角から検討する。そして、天保~安政期(1830~60 年)における郷町改革を素材に、領主支配と郷町運営の関係に着目して裁判権や行政権を分析し、近世後期における在郷町運営の質的変容を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究課題による成果のうち重要なものは、「古河藩大坂詰家中と大塩事件」(『大塩研究』84号、2021年2月)、および「近世中後期における陣屋元在郷町と譜代藩政の動向―古河藩土井氏領の摂津国平野郷町を事例に―」(『ヒストリア』289号、2021年12月)の論文2編である。これらは天保~安政期(1830~60)を中心に、近世中後期に下総国古河藩土井氏の支配を受けた摂津国住吉郡平野郷町の歴史的位置について論じたものである。 また、平野郷町・旧平野郷地区に関する新出史料や地域歴史遺産の継承について、適宜論考や史料紹介を発表するとともに、主に兵庫県内で研究課題遂行の知見に基づく講演・講座を重ねた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、これまで研究が十分に蓄積されていなかった近世中後期の畿内在郷町について、自治的運営と領主支配の関わりから検討を加えたことにある。天保期には古河藩主が大坂城代に就任し、藩士を伴い在坂する。これに際して、安永9~天明元年(1780~81)に古河藩の陣屋が平野郷町に開設されて「陣屋元在郷町」となり、領主と郷町の関係が緊密化したことが大きく貢献した。かかる条件に規定されつつ、平野郷町の自治的運営は他面において矛盾を深め、安政期には大規模な郷町改革が実行される。加えて以上の研究を市民との協働による地域歴史遺産の掘り起こしとともに遂行したことは、本研究の社会的意義と自己評価できる。
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