研究課題/領域番号 |
19K20831
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補助金の研究課題番号 |
18H05625 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 國學院大學 |
研究代表者 |
高橋 秀樹 國學院大學, 文学部, 教授 (70821990)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 吾妻鏡 / 鎌倉幕府 / 鎌倉時代 |
研究開始時の研究の概要 |
鎌倉幕府の歴史書『吾妻鏡』は、日本中世史研究の最重要史料とされながらも、その研究は遅れていおり、原史料探求の方法さえも確立していない。信憑性の高い原史料に基づく記事と編者によって創作された記事が混在したまま、鎌倉時代政治史の基本史料として質の低い活字本に依拠して使われているのが現状である。 本研究は、『吾妻鏡』各記事の情報毎に原史料の分析を行い、『吾妻鏡』原史料探求の方法を確立させる。その情報分析の成果に基づき、編者の創作部分を排除して、質の高い情報のみに基づいて政治的事件の推移を復元し、北条氏による他氏排斥・将軍追放という単純な図式で捉えられてきた鎌倉時代政治史を再構築する。
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研究成果の概要 |
『吾妻鏡』頼朝将軍記の文治4年(1188)~建久6年(1195)と、正治元年(1199)~建仁3年(1203)の頼家将軍記について、吉川本を底本として、諸本で対校し、仮名本である南部本『東鏡』を参考にして字句の補訂を施した校訂本文を作成した。 頼経将軍記の文書利用記事を分析し、『吾妻鏡』が文書を一定のフォーマットに合わせて記事化していることを明らかにした。また、梶原景時追放事件・比企能員滅亡事件の原史料分析を行い、ほとんどの記事に天候や時刻の記載がある前者は、文書を原史料とする記事を含めて史料としての信憑性がある一方、後者は、記事に文飾表現も多く、信憑性に欠けることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
鎌倉時代の最重要史料である『吾妻鏡』について、最善本である吉川本を底本に、新発見の仮名本を含む諸本で校合して作成した校訂本文は、今後の鎌倉時代史研究の基礎となる研究資源である。 また、頼経将軍記を例に原史料としての文書利用について分析し、『吾妻鏡』の編纂方法、原史料利用方法の一端を明らかにした。さらに記事の情報源や原史料を想定しながら、『吾妻鏡』記事の性格を検討することで、新しい『吾妻鏡』の史料批判の方法を提示することができた。
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