研究課題/領域番号 |
19K20839
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補助金の研究課題番号 |
18H05633 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0103:歴史学、考古学、博物館学およびその関連分野
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
片山 健太郎 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 都城発掘調査部, アソシエイトフェロー (90526146)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 馬具 / 馬装 / セット / 生産・流通 / 金工 / 古墳時代 / 古代 / 生産 / 流通 |
研究開始時の研究の概要 |
古代国家成立期の7世紀後半の倭の馬具については不明な点が多い。本研究では基礎的な資料集成をおこない、どのようなセットで馬装を構成していたのかを明らかにする。さらにこのセット論の視点を踏まえて、彫金などの金工技術や有機質構造に注目し、どのように当該期の馬具の生産と流通がおこなわれていたのかを明らかにする。 これまで7世紀を代表する毛彫馬具の一部については、文様の共通性から百済との関係が指摘されてきたが、セットを構成する馬具をみてみると、セットとして百済に系譜がたどれるとは言い切れない。申請者がこれまで進めてきた7世紀以前の馬具研究を基礎として、これらの系譜についても明らかにする。
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研究成果の概要 |
古墳時代と古代の馬具研究の狭間にあり、十分に進んでいない7世紀後半を中心とする馬具について、特に金銅装の馬具と、セットをなす馬具の考古学的検討をおこなった。 いわゆる毛彫馬具の棘付花弁形杏葉やそれとセットをなす飾金具について、文様による分類ではなく、製作技法を主眼に分類をおこなった。これにより、古墳時代から古代の金工製品の生産体制の変化の中で、装飾馬具の変化も位置づけることが可能となった。また、従来、7世紀前半段階に、古墳時代的な多様な装飾馬具の在り方から画一的なあり方へと変化するとされてきた。しかしながら、そのような単純な見方では、この段階の馬装体系の変化を理解するのは難しいことを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、馬具を一つの材料として古墳時代から古代における金工生産をはじめとする手工業生産の変化を見通す視点が開かれた。従来から馬具工人と造寺造仏にかかわる工人との関係については見通し的に示されてきたが、より資料に根ざして、当該期の手工業生産における馬具生産の位置づけを考えることが可能となった。 また、研究代表者が古墳時代の馬具研究についてこれまでおこなってきた、新しい見方による馬具の分類編年研究、セットという視点の研究が当該期の馬具の理解においても有効であることを示した。
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