研究課題/領域番号 |
19K20844
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補助金の研究課題番号 |
18H05638 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0104:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
時任 美乃理 京都大学, 森里海連環学教育研究ユニット, 特定研究員 (20824220)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ベトナム / モノカルチャー / ホームガーデン / GIS / アカシア林業 / 生業構造 / 地域計画 / 救荒作物 / GIS分析 / 東南アジア / 生業 / レジリエンス |
研究開始時の研究の概要 |
生業のモノカルチャー化が進行し,災害や経済状況の変化に対するリスクが増大しているベトナム農村では,高いレジリエンスを備えた生活構造の確立が急務である。本研究は,開発影響下にありながらも在来の作物栽培習慣を継続している世帯に着目し,ホームガーデン構成の人為選択に影響する自然条件や世帯史(世帯の長期にわたる社会的背景)の分析から,習慣が遺存している背景要因を解明する。ベトナム中部ナムドン県の少数民族農村において全戸調査を行うほか,分析結果を現地住民,現地行政関係者および有識者とワークショップを開催して共有し,過去に実施されたホームガーデン作物栽培支援策の修復を試みる。
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研究成果の概要 |
ベトナムの山岳農村では多くの少数民族世帯が造林業に参入しており,生業のモノカルチャー化が進行している。一見すると造林業という現金収入源を獲得し貧困から脱したようにみえる少数民族世帯だが,実際には生活に様々な不安定性を抱えている。災害や経済状況の変化に柔軟に対処できる高いレジリエンスを備えた生活構造の確立が急務であることから,本研究では,モノカルチャー化によって危惧される諸リスクへの対処手段としてホームガーデンにおける作物栽培に着目し,人々の生存維持保障となる生活習慣が現状も遺存している背景要因を探った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
土地利用や作物の選択要因に関する既往研究では,栽培者に関わる説明変数として年齢や職業,世帯構成員数といった一時点の世帯情報が用いられてきたが,本研究では各世帯の長期にわたる社会的背景をオーラルヒストリーとして収集し,分析に加えることで,在来習慣が遺存してきた背景要因を探った。文献や行政資料では確認できない「世帯史」を数値化し,さらに土地利用・生業研究に応用する本研究は,社会・人類学と自然科学を融合する学際研究を具現化するものであり,農村開発や地域計画に向けた新たな視点をも提示しており,学術的にも意義のある研究といえる。
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