研究課題/領域番号 |
19K20846
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補助金の研究課題番号 |
18H05641 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0104:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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研究機関 | 茨城キリスト教大学 |
研究代表者 |
清水 博之 茨城キリスト教大学, 文学部, 准教授 (70822732)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 山・鉾・屋台行事 / ユネスコ無形文化遺産保護条約 / 文化財保護法 / 保護団体(保存会など) / 全国山・鉾・屋台保存連合会 / 加勢 / ユネスコ無形文化遺産 / 日立風流物 / 高岡御車山祭 / 秩父祭 / 高岡御車山行事 / 保存・継承 |
研究開始時の研究の概要 |
山・鉾・屋台行事は、伝統的な氏子組織や町内組織によって運営されてきたが、文化財保護法の成立によって、その多くは宗教から峻別し、新たに設立された保護組織によって運営されるようになった。これによって公的な補助や支援を効果的に活用できるという利点はあったものの、伝統の継承という点からは、少子高齢化の影響もあり後継者の減少によって維持することが困難になりつつある。この現状の中でユネスコ無形文化遺産保護条約の一覧表記載というインパクトのある出来事があった。この新たな価値体系は、山・鉾・屋台行事の保護・継承にどのような影響を与えつつあるのだろうか。そして、後継者育成にどのように繋がっていくのかを見極める。
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研究成果の概要 |
この研究によって、山・鉾・屋台行事は無形の民俗文化財として時代と共に人々の要望にあわせて変容するものであることを再確認することができた。さらには、その変容の中にあっても変わらないもの、あるいは変えてはならないと意識される核心があることを確認できた。その核心とは、祭り・行事によって神を迎えもてなしそして送り返すことである。あわせて、後継者不足は、たんなる少子高齢化や価値観の変化によるものだけではなく、保護組織(保存会など)の欠員を補充する機能の脆弱性が大きな要因であることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
山・鉾・屋台行事の保存・継承に関する現代的課題を解き明かし確認することができた。具体的には、山・鉾・屋台に触れることさえタブーとする女性を忌避する慣例とそれに抗おうとする新たな勢力との確執を確認した。また、日本に在留する外国人が山・鉾・屋台行事へ徐々に参加しつつある情勢も把握できた。 山・鉾・屋台行事を含む無形の民俗文化財は、有形の文化財とは異なり、その時代の人たちの期待に応じた変化をしつつ継承されていくことがわかった。しかし、その変化の中でも変わらない、あるいは変えてはいけない核心がしっかりと守られることが、伝統を保存・継承するために肝要であることがわかった。
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