研究課題/領域番号 |
19K20847
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補助金の研究課題番号 |
18H05642 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0104:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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研究機関 | 松本短期大学 (2019) 帯広大谷短期大学 (2018) |
研究代表者 |
茶谷 智之 松本短期大学, その他部局等, 助教 (20824808)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 保育の質 / 農村保育所 / 社会関係 |
研究開始時の研究の概要 |
2019年度上半期は、文献調査を継続的に行うとともに、農村保育所改革に関わった地域住民や利用者へのインタビュー調査を中心に行う予定である。加えて前年度実施することができなかった夏季の保育所におけるフィールドワークを実施する。また、国際会議に参加し、海外研究者とのネットワークの構築・強化を図る。2019年度下半期は、これまでに収集したデータの整理および分析を行い、研究成果の公表に重点を置いて研究活動を進める。
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研究成果の概要 |
研究代表者による2年間のフィールドワークによって、北海道A町の農村保育所改革における〈保育の質という社会的枠組み〉の生成過程の様相が明らかになった。農村保育所統廃合のプロセスには、町長、子育て支援課職員、保育士、畑作農家、酪農家、保護者など複数の関係者が参与し、異なる立場からの多様な意見が出されていた。そこにおいて保育の質に対する多様な意味づけが肯定された背景には、おもに意思決定において住民投票という多数決の仕組みが導入されなかったこと、保育の現場に関わる関係者のあいだで非指示的な言葉が用いられていたことがあると指摘した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで保育の質をめぐる先行研究では、標準的な質を求める動きと、子どもや地域の多様性を重視した質のあり方を求める動きが対抗的に捉えられてきた。それに対し本研究は、保育の質という社会的枠組みが生成される過程と、そこに参与する多様な関係者の利害や思惑に着目し、保育の質の標準化と異質化を対抗的ではなく相互補完的に捉えた。その視座は、世界各地の就学前教育・保育の現場において求められている、全国レベルの標準化と地域社会のニーズとの調整においても活かすことができる可能性があるため、今後も本研究成果を広く公表していきたいと考えている。
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