研究課題/領域番号 |
19K20849
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補助金の研究課題番号 |
18H05644 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0104:地理学、文化人類学、民俗学およびその関連分野
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研究機関 | 青山学院大学 (2020-2021) 国立民族学博物館 (2018-2019) |
研究代表者 |
大澤 由実 青山学院大学, 地球社会共生学部, 助教 (40822630)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | MSG / グルタミン酸ナトリウム / タイ / 調味料 / 食文化 / うま味 / 科学調味料 / 味 / グローバル化 / 化学調味料 / 味覚 / 消費 / 社会変容 / 食のグローバル化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、グローバルに消費されるMSG(グルタミン酸ナトリウム)を例に、その消費と拒絶という食の選択に着目し、選択の背景にある食の認識体系がどのように構築され変容するのかを明らかにする。現在調味料や添加物として消費されているMSGは、日本での販売からわずか半世紀足らずで世界中に消費が広まった。同時に、MSGの拒絶や消費にまつわる否定的な動きが世界各地で見られる。本研究は食の人類学の視点から、MSGの大量消費国の1つであるタイにおいてどのようにMSGの消費が広まったのか、そして近年どのように拒絶に至ったのか、その過程と背景を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、MSG(グルタミン酸ナトリウム)の大量消費国の一つタイにおいて、MSGが普及した過程と、近年に見られる消費の拒絶という現象を明らかにすることである。現地調査と資料分析の結果、MSGは1970年代以降タイ全土に広がり、味の嗜好性の高さや、海外の新しい調味料としての意味や価値を持ち受容されていたことがわかった。一方、MSG消費の拒絶については遅くとも1970年代後半から存在し、添加物消費への不信、消費者運動の高まり、日本企業の権威性への批判など複数の要因からの分析が可能であることも明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現代において食や健康に関する課題は後を絶たない。本研究では、MSG消費の普及から拒絶という現象までを研究対象とし、一度は受け入れられたMSGがなぜ拒絶されうるのかを検討した。MSGの拒絶に関しては、食や健康にまつわる情報がいかに選択され、食の実践に影響を与えるのか、食品工業・科学技術への信頼性や、グローバルな味や商品の認識はどう変化しているのかなど、現代が抱える食と健康に関する課題について包括的に考察し、食べることの複雑性・多層性を示す事例を提供した。
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