研究課題/領域番号 |
19K20853
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補助金の研究課題番号 |
18H05649 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0105:法学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
住永 佳奈 京都大学, 法学研究科, 特定助教 (60826519)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 所得課税 / 人的資本 / 減価償却 / 生命保険信託 / 租税法 / ヒューマン・キャピタル / 譲渡 / 信託 / 委託者課税 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、実現主義に依拠する所得課税における、財産所有が終了する時における課税の公平を、[1]課税の契機と、[2]財産の種類の2つの観点から探究するものである。[1]では、 納税者と財産の関係を終局的に変化させる死について、現行法の規定内容の分析とその代替案の提示を行い、課税における実現の意義と内容を帰納的に論じる。[2]では、納税者自身へ行われる投資について、所得獲得能力を高める支出として、納税者が所有する物への投資と等しく取り扱うべきことを出発点として、投資の価値の算定方法および、死の時に投資の価値が失われることが課税に与える影響について論じる。
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研究成果の概要 |
本研究は、納税者と財産の関係変化に着目した所得課税の契機と、異なる取引間・異なる財産間での課税上等しい取扱いの検討を行い、以下の成果を得た。(1)生命保険信託における委託者課税のように、所有者の所有や支配を離れた財産から生じる所得を誰に課税するかという問題について、財産から生じる所得の方向づけと受益という要素や、家族など親密な関係性という観点を明らかにした。(2)減価償却に関して、財産に本質的価値と減価償却できる価値がある場合の減価償却の可否の考え方は、人的資本へ投じられる費用の課税上の取扱いへ応用しうることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、所得はどのような要素に基づいて誰に課税されるか、また、所得を獲得するために利用された財産の取得費はどのような理由から控除されるべきかについて、それぞれ生命保険信託と減価償却資産を素材として探究した。財産の所有のあり方や譲渡の方法、さらには世代間での移転など、財産の所有と移転のあり方は金融取引の発展や社会情勢を踏まえてますます多様化している。本研究の成果は、財産の所有者と財産から生じる所得の所有者とが異なる場合の所得の帰属の決定、課税単位(個人、家族、それ以外の集団など)および、人的資本の涵養の促進に向けた税制のあり方に関する基礎的考察として資する。
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