研究課題/領域番号 |
19K20866
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補助金の研究課題番号 |
18H05662 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0106:政治学およびその関連分野
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研究機関 | 広島大学 (2019-2020) 名古屋大学 (2018) |
研究代表者 |
趙 テキ 広島大学, 人間社会科学研究科(社), 助教 (90825770)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 翼賛体制 / 大政翼賛会 / 常会 / 協力会議 / 民意 / 翼賛政治 / 近代日本政治史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、近代日本の翼賛政治の時期(1940-1945)に人民の意見・要望が政治に反映された状況を地方・中央にわたって考察し、政治と民意との関係という視点から、翼賛体制の性質を再検討した。具体的には大政翼賛会の下情上通機関の常会・協力会議を研究対象とした。翼賛会の関連資料、常会・協力会議の会議録、政府の文書などの一次資料を収集・読解し、会議の運営、会議で提出された議案の処理・実現状況を明らかにし、民意の政治への反映状況を把握した。
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研究成果の概要 |
大政翼賛会の地方・中央協力会議を研究対象とし、会議が整備された過程と、会議が運用されるうちに下情上通の機能を発揮した状況を考察した。それを通じて翼賛体制において民意が表出され、各統治勢力によって対応され、政治に反映された状況を分析し、翼賛体制の性質も検討した。考察から、協力会議が一定の程度で下情上通の機能を発揮したことが分かった。この事実から、翼賛体制下、一定の程度で各種の民意が表出され、各統治勢力によって積極的に対応され、政治に反映された。翼賛体制には民意の表出を許し、民意の政治への反映を行う側面があった、という結論が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は大政翼賛会協力会議の意義・役割の再評価に意義を有する。先行研究は、協力会議が形骸化された、あるいは下情上通が機能しなかったと結論づけている。それに対し、本研究は協力会議が一定の程度で下情上通の機能を発揮したことを実証した。本研究の成果をふまえ、先行研究の論点は再考・修正されるべきである。 また本研究は、翼賛体制の研究の深化に貢献する。具体的には、本研究はこれまで十分に注目されていない翼賛体制における民意の表出と反映の状況を分析した上で、政治と民意の関係という視点から、翼賛体制の性質について新しい論点を提示した。本研究の成果を以て、翼賛体制の研究を深化できる。
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