研究課題/領域番号 |
19K20894
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補助金の研究課題番号 |
18H05693 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 千葉経済大学 (2020-2022) 京都大学 (2019) 関西大学 (2018) |
研究代表者 |
宗村 敦子 千葉経済大学, 経済学部, 講師 (20828355)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2018年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | 農産物流通 / 海底ケーブル / 青果市場 / イギリス帝国 / 南アフリカ / マーケティングボード / アフリカ / 情報革命 / 戦間期 / 戦間期アフリカ / コモンウェルス / 情報ネットワーク / 南半球 / 工業化 / 農産物 / 代理店制度 / アグリビジネス / 果物取引 / 1930年代 |
研究開始時の研究の概要 |
イギリス帝国植民地のうちのいくつかが自治領体制に移行する1930年代は、アフリカ経済史ではとくに第一次産品への特化が進みプランテーション化が進行した時代とされる。しかし、南アフリカにおける農産物輸出部門では、1920年代に輸出額の増加と農産物価格の高騰を経験し、現地民間人の起業活動も活発化した。本研究が対象とするFed-Farmsはそうした事例の典型例であり、その活動には「南半球の季節性のずれを利用して農産物輸出部門を促進する」ことを掲げた。 本研究では、世界恐慌直前までの自治領国南ア・ニュージーランド、オーストラリアの関係史として、「季節性のずれ」について具体的な流通システムの革新過程を示す。
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研究成果の概要 |
戦間期のロンドンは、イギリス帝国内外からの多種多様な果実輸出の恩恵を受け、年間を通じて落葉性果実が集められた中心的市場であった。これが実現された背景には、北半球と南半球の季節差を利用し、ヨーロッパ市場にまで積極的に高級果実を販売促進した南アフリカ連邦の生産者の戦略があった。 本研究は、1919年に南アとオーストラリア、ニュージーランドの農業組合が協同設立した輸出代理店Fed-Farmsの設立経営と、彼らが果物取引の過程でやりとりした価格情報の電信内容を詳しく論じた。本研究は現地で等級や価格情報が急増し、それが後の現地の等級制度の整備につながったことを、現地新聞の市況記事を使いながら明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本課題では、西ケープ州の農場地域の輸出組合で1920年代末に適用されるに至った等級システムの整備の過程を、海外市場における青果への評価という観点から考察し、情報と植民地産品輸出の相互関係を明らかにした。海底ケーブルという情報媒体に関する研究が豊富にあるなか、電信の商業利用の実態を量的な電信結果の収集という形で論じた研究は本課題独自の観点といえる。この成果により、従来の南ア農業経済史では「政府によって過剰に保護された利益集団」と見なされてきた自治領の農場主集団の輸出活動を、「情報を収集し、それに応じて輸出先の取扱企業を指名する」という非常に重要なマーケティング戦略から評価することができる。
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