研究課題/領域番号 |
19K20900
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補助金の研究課題番号 |
18H05701 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0107:経済学、経営学およびその関連分野
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
山崎 泉 学習院大学, 国際社会科学部, 准教授 (00643181)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 高等教育の経済学 / リメディアル教育 / 数学教育 / インパクト評価 / ランダム化比較試験 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、教育経済学と行動経済学双方の知見に基づき、日本の大学の社会科学学部において、①数学のリメディアル教育への参加促進ナッジの効果と②数学のリメディアル教育そのものの効果を検証する。具体的には「新入生にリメディアル教育への参加を促す手紙を送る」ことをランダム化し、その効果を検証すると共に、同参加促進ナッジを操作変数とした教育生産関数の推定を通し数学のリメディアル教育の効果を検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では教育経済学と行動経済学双方の知見に基づき、日本の大学の社会科学系学部において①数学のリメディアル教育への参加促進ナッジの効果の検証と、②数学のリメディアル教育そのものの効果を検証した。研究実施期間の間で、日本の私立大学Aの社会科学系学部において、2019年度・2022年度新入生対象に調査・介入を実施した。これまで収集したデータを使用した分析結果によると、有意水準10%のレベルで、先輩からの手紙は入学前数学補習授業の受講率を向上させていた。また、有意水準10%のレベルで、入学前数学補習授業を受講した者はそうでない者と比較し、学部の「統計学」の授業の受講率が向上していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
米国の大学のリメディアル教育には長い歴史があり、その効果についての実証分析も多く存在する。昨今日本でも多くの大学で様々なリメディアル教育が実施されているが、その効果を検証する厳密な実証分析はほとんど実施されていない。本研究の分析によると、補習授業の受講を促す先輩からの手紙は、入学前の数学補習授業の受講に有効である可能性がありそうなこと、社会科学系の学部で入学前の数学の補習授業を行うことで「統計学」等の数学を必要とする授業の受講や単位取得を促進する可能性がありそうなことが示唆された。これらの分析結果は日本や他国の数学やその他科目のリメディアル教育の効果的な実施のために参考にできる知見である。
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