研究課題/領域番号 |
19K20914
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補助金の研究課題番号 |
18H05717 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
山里 絹子 琉球大学, 国際地域創造学部, 准教授 (00635576)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | ディアスポラ / ライフストーリー / 沖縄系アメリカ人 / 米軍基地 / アイデンティティ / 戦後沖縄 / 冷戦 / 米軍統治 / アメリカ統治 / ハワイ / アメリカ / オキナワ系アメリカ人 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、米軍統治下時代に沖縄の米軍基地で育ち、社会的にも文化的にも沖縄とアメリカの狭間に置かれた「沖縄系アメリカ人」のアイデンティティ形成過程を解明するものである。沖縄とハワイにおいてインタビュ―調査を実施し、沖縄の米軍基地で育った経験がどのようなアイデンティティを形成させたのか、また人種・エスニシティ、ジェンダーや階級などの文化的要素がアイデンティティ形成過程にどのように結びついたかを考察する。米軍基地で育ったということで「郷里」に居ながらも「郷里」社会にうまく属さなかった経験をもつ人々のアイデンティティや故郷認識を考察することで、ディアスポラ研究において新しい知見をもたらす目的がある。
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研究成果の概要 |
本研究では、米軍統治下時代(1945-1972)に、沖縄の米軍基地で育ちアメリカの教育を受けた、米国籍を有する「沖縄系アメリカ人」への聞き取り調査を通して、彼らが沖縄とアメリカの狭間をどのように生きたのか、そして、現在どのように自己の人生を物語るのかに着目した。彼らのライフストーリーから、①アメリカと沖縄社会の狭間で故郷に対する喪失感を経験したこと、②多様な文化背景をもつ基地内学校(クバサキハイスクール)のクラスメートとの関係の中で自己のアイデンティティの形成がなされたこと、③人種、階級、ジェンダーの意識が彼らのアイデンティティ形成過程に影響を与えたことが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、米軍統治下時代に沖縄の米軍基地で育ち、社会的にも文化的にも沖縄とアメリカの狭間に置かれた「沖縄系アメリカ人」のアイデンティティ形成過程を明らかにするものである。個々のライフストーリーの聞き取りから、人種、階級、ジェンダーの意識がアイデンティティ形成過程にどのように結びついたかを考察した。本研究を通して、戦後の沖縄社会が沖縄とアメリカの文化と社会が融合された空間だけでなく、アジアからの基地労働者など様々な文化的背景を持つ人々の生活の営みの場でもあり、人種、ジェンダー、階級の経験が交差する多層的な越境的空間であったこと、またその中に語り手のディアスポラ的経験があったことが明らかになった。
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