研究課題/領域番号 |
19K20915
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補助金の研究課題番号 |
18H05718 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 福島学院大学 |
研究代表者 |
八木 孝憲 福島学院大学, 公私立大学の部局等, 講師 (70827344)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 児童養護施設 / 喪失体験 / グリーフケア / 全国調査 / デルファイ法 |
研究開始時の研究の概要 |
第1研究における調査を通して,施設児童にとっての喪失体験の内容や頻度,その時の子どもの反応などについてのデータを収集した。 第2研究では,第1研究の成果をフィードバックすることを兼ねて,一定の経験年数を持つ施設心理職を対象としたデルファイ法による調査を実施し,心理的側面から施設児童のグリーフケアにおいて必要,かつ重要であると考えられる支援方法の抽出に取り組む。なお,デルファイ法とは「調査-分析-フィードバック-調査」というように回収した調査結果を提示した上で,同一の専門家に質問紙調査を実施することにより,意見の集約を行う方法であり,専門家間の合意が取れた知見を得るために用いられる調査法である。
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研究成果の概要 |
その生い立ちゆえに,施設児童は家庭で生活する児童よりも多くの喪失体験をすると考えられるが,施設児童の喪失体験やそれに伴うグリーフケアについての研究,実践はほとんど行われていない。そこで,本研究では施設児童が体験する喪失体験やそれに伴うグリーフ体験の実態とその必要性を明らかにすることに取り組んだ。施設児童が経験すると考えられる喪失体験を,発生頻度と職員にとっての扱いにくさを尋ねた。結果として,慣れ親しんだ環境の喪失と死など取り戻すことのできない喪失という2つの要因が存在することが示唆された。こうしたことから,施設生活の中にある喪失体験にも目を向け,必要に応じてグリーフケアを行う必要がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,これまであまり触れられてこなかった,施設児童が体験する喪失体験やそれに伴うグリーフ体験の実態とその必要性を明らかにすることに取り組んだ。その結果,彼らは様々な喪失体験を日常的に経験していることが示唆された。また,死と関連する喪失体験について,施設職員は特に強く扱いにくさを感じていることが示された。 こうしたことから,施設児童に対する心理的ケアについて考える際,過去のトラウマやアタッチメントに焦点を当てるだけではなく,施設生活の中で少なくない喪失を体験していることを考慮し,施設生活の中にある喪失体験にも目を向け,必要に応じてグリーフケアを行う必要があることが明らかとなった。
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