研究課題/領域番号 |
19K20916
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補助金の研究課題番号 |
18H05719 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 跡見学園女子大学 (2023) 東洋大学 (2018-2022) |
研究代表者 |
川副 早央里 跡見学園女子大学, 観光コミュニティ学部, 助教 (50778660)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 原発事故 / 広域避難 / 軋轢 / 避難者の受け入れ / 避難者支援 / 避難者 / あつれき / 災害復興 |
研究開始時の研究の概要 |
福島第一原発事故後、原発避難者と受け入れ住民との間で軋轢が生じ、避難者は差別や偏見を恐れて避難者であることを隠しながら避難生活を送っている状況がある。本研究では、軋轢の要因を解明し、避難者と避難先住民の共生社会構築に向けた方途を検討する。具体的には、主に避難者への聞き取り調査を通じて、避難元地域から離れた状況での苦悩や戦略、避難先地域と関わる際の困難や葛藤を明らかにし、避難者のアイデンティティを類型化したうえで、避難者が2地域とのかかわりの中で抱く複層的でアンビバレントな意識構造を描きだす。そして、原発避難者の意識構造の知見を踏まえて、原発避難者が必要とする支援を検討する。
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研究成果の概要 |
本研究は、福島第一原発事故後に避難者と受け入れ住民との間で生じた軋轢を背景に、避難者の意識構造に関する理解を深め、原発避難者と避難先住民が共生する新しい地域社会の構築に向けた方途を検討することを目的としている。避難者への調査から明らかとなったことは、避難者が避難元と避難先地域との関わりの中で複層的でアンビバレントな意識構造を抱いていること、避難先地域および災害過程のステージによって避難者の意識や受け入れ住民との関係が異なることである。避難先の住民や社会への波紋にも注意して避難者の生活再建を支援すること、そして避難者が抱く故郷への思いや帰属感を尊重した支援を行うことが重要であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は、原発事故後の避難者を受け入れた避難先地域の状況も含めた原発避難研究を行った点にある。原発事故避難者の困難や支援に関する研究は蓄積されてきたが、ホストコミュニティへの影響も視野に入れた研究は少なく、避難者が避難元だけではなく避難先地域との関係のなかで避難生活を送り、将来展望を検討していることが明らかとなった。また、「帰還か移住か」ではない第三の道としての二拠点生活の実態や復興スタイルを明らかにした。さらに、避難者が二地域と関わりながら抱えるアンビバレントで複層的な意識構造の特徴を描き出した。
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