研究課題/領域番号 |
19K20924
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補助金の研究課題番号 |
18H05727 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0108:社会学およびその関連分野
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研究機関 | 立教大学 (2022) 東京大学 (2018-2021) |
研究代表者 |
大崎 裕子 立教大学, 社会学部, 特任准教授 (10825897)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 学歴間不信 / 階層間不信 / 階層間不信の非対称性 / 分断 / 機会格差 / 学歴間不信の非対称性 / 能力への(不)信頼 / 階層間信頼の下位構造 / 学歴間の不寛容性 / 教育機会格差と主観的ウェルビーイング / 教育機会の不平等認知 / 大卒・非大卒間の相互不信 / 教育意識 / 学歴間相互不信 / 信頼論 / 大卒層と非大卒層の間の相互不信と分断 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、分断社会化する日本において、大卒者と非大卒者の間に生じる相互の不信感と両者の教育意識(教育の価値に対する肯定・否定)の間に、因果的関係が存在するかどうかを、社会調査データから実証的に解明する。以下の手順で研究を進める。 第一に、大卒層・非大卒層の間の対立・相互不信を測定する質問項目を開発する。それらをもちいて社会調査データを収集し、大卒層・非大卒層の間に対立や相互不信が生じているかを明らかにする。 第二に、データから因果メカニズムを詳細に検討し、大卒層と非大卒層の間の対立や相互不信が、学歴による教育意識の差(大卒層は教育意識が高く,非大卒層は低い)を強化しているかを検証する。
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研究成果の概要 |
本研究では,日本の25-64歳男女を対象におこなったウェブ調査実験から得られたデータを分析し,大卒・非大卒間の学歴間不信,さらには雇用形態,家族形成という新しい社会階層も含めたより一般的な「階層間不信」が生じていることを明らかにした.くわえて,それらの階層間不信はいずれも非対称であった.他者への信頼において,低階層者は高階層者と低階層者を大きく区別していないのに対し,高階層者は高階層者と低階層者を明瞭に区別し,後者への信頼が低かった.さらに,格差容認認識が階層間不信を増幅させる可能性も示された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,近年の日本社会で懸念される社会分断について,主に階層研究と信頼研究の視点からアプローチし,学歴を含む社会階層において,異なる階層の人々の間の不信の存在とその非対称性を明らかにした.社会的意義として,社会分断の抑制という現代的課題にむけた実践的研究の方向性を示した点があげられる.また,日本社会における分断が主に,上層から下層に向けて生じている可能性を示し,日本社会の記述という点で学術的な意義があったと考えている.
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