研究課題/領域番号 |
19K20939
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補助金の研究課題番号 |
18H05743 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
奥村 真衣子 信州大学, 学術研究院教育学系, 助教 (60824919)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 場面緘黙 / 選択性緘黙 / 対人関係 / コミュニケーション / 教材 / 玩具 / 情緒障害 / 特別支援教育 / 北米 / 英国 / 教育場面への援用 / 系統的分類 |
研究開始時の研究の概要 |
選択性緘黙児は社会的状況で発話や行動が抑制されるため、主体的に対人関係を形成することが困難である。そのため、他児と活動を共有する機会に乏しく、孤立、いじめ、不登校等の集団不適応に陥りやすい。このような不適応状態を未然に防ぐには、発話以前に対人関係の支援を行うことが優先的課題である。 本研究では、選択性緘黙児が負荷なく他児と交流することを助けるツールとして、教材や玩具に着目した。これらの使用は専門的技術に依存しないため、教師や保護者等でも活用可能なことが期待される。そこで、支援資料が充実している北米や英国における対人関係支援に有効な教材や玩具を調査し、わが国の実態に合わせた援用方法を検討する。
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研究成果の概要 |
場面緘黙児は対人関係の構築に困難を示すが、発話の促進および二次障害の予防には、子ども同士の交流が欠かせない。本研究では、1)対人関係を支援する北米や英国の教材・玩具を調査し、2)それらを用いた教員研修より、わが国の教育現場における活用方法を検討することを目的とした。 海外における支援教材や玩具は、使用時のコミュニケーションに特徴があり、ものの呼名や「はい/いいえ」での応答、定型表現による質問など、発話負荷が低い傾向にあった。教員評価から、支援ノウハウが十分でない教員でも、広範な年齢層を対象に、多様な学びの場や活動で活用可能なことが示され、今後の支援充実に教材・玩具が寄与するものと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
場面緘黙の支援においては発話の基盤となる対人関係上の困難を解消することが先決であるが、教育的配慮としては授業内容や方法の調整、他児への理解啓発に留まり、子ども間の相互作用促進に対して具体的な方策は示されていない。 本研究では、北米や英国といった研究先進国においてクリニック等の発話治療の文脈で使用される教材や玩具が、わが国の教育場面における子ども間の相互作用促進にも援用可能なことが示されたことに大きな意味がある。実際に使用した教師からは、多様な場(通常学級、通級指導、特別支援学級等)で、多様な活動(教科、学級活動、自立活動等)での使用が見込まれ、今後の場面緘黙教育の充実が期待される。
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