研究課題/領域番号 |
19K20977
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補助金の研究課題番号 |
18H05785 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
宮島 新 信州大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (00824971)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 教師教育 / 悩める教師 / 生活科・総合的な学習の時間 / 実務家教員 / 同僚性 / 三層のマップ / 同僚による教師支援 / 生活科 / 総合的学習 / 授業観 / 子供観 / 教師の自己更新 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の学術的な「問い」は,「『悩める教師』が自ら成長し自信を得るために,同僚の支援はどのような要件を必要とするのか」ということである。学習指導要領の改訂や,形式的な働き方改革の波を受け,教員の多忙感は増し,教育現場では悲鳴があがっているのだ。申請者は,一昨年度まで実践現場でこの状況を目の当たりにし,微力ながらも同僚教師の支援を模索してきた。ことに,普遍的な教科書を想定していない生活科や総合的な学習の時間は,最も教師自身の授業観や子供観,さらには悩みが露わになってくる教科である。本研究では,その生活科・総合での省察的な実践をもとに,悩める教師への具体的な支援方法を究明していくものである。
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研究成果の概要 |
本研究は,「『悩める教師』が自ら成長し自信を得るために,同僚の支援はどのような要件を必要とするのか」について,生活科や総合的な学習の時間に焦点を当てた。研究の成果は次の3点である。①子供との関わりに悩む教師の要因として,硬直した教師の授業観や子供観があること。②教師と子供の関係性がよい状況・教師には,子どもの実態に応じて授業構想を再構成する,しなやかな授業観や 子供観があることが確認された。③同僚による効果的な支援の可能性として,その教師の「悩み」を客観的に意味づけ,本人が 「悩んでいること」自体を受け入れられるようにすることや,思考ツールとして「三層のマップ」の活用が見出された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果として,悩める教師の「悩み」は,硬直した授業観や子供観が要因であることが見えてきた。また,その授業観や子供観は,同僚による協働的な省察によって,新たな意味を持ったり,柔軟になったりもする。このことは,教育実践現場についての研究が,「その教師」の「観」と密接であるということであり,今後の同研究分野への一つの視点となり得るものであるととらえた。また,本研究では,教師が自らの授業観や子供観を柔軟にしていく思考ツールとして,「三層のマップ」(宮島2019)の活用に可能性を見出した。このことは,教育理論と実践を往還させる一助となり,具体的な方法として実践現場に取り入れていくことも期待される。
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