研究課題/領域番号 |
19K20992
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補助金の研究課題番号 |
18H05800 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0109:教育学およびその関連分野
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研究機関 | 鹿児島女子短期大学 |
研究代表者 |
本田 和也 鹿児島女子短期大学, その他部局等, 准教授 (50828027)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 聴覚障害 / 視線共有 / 共同注意 / 母子 / 働きかけ / 0歳児 / 聴覚障害児 / 遊び |
研究開始時の研究の概要 |
一般的に聴覚障害児は、「心の理論」の獲得が健聴児よりも遅れることが知られている。また、心の理論獲得の基盤の一つに共同注意があるが、どのように共同注意を形成しているかは、未だ明らかになっておらず、それに伴い、どのような母親の働きかけがその形成を促しているかについての研究もほとんどなされてきていない。本研究では、聴覚障害児と母親の遊びでのやりとりをビデオ分析し、0歳児と1,2歳児とでは、母子のやりとりにおいて視線共有の時間や回数に差があるのか、あるとすれば,母親の働きかけにおける要因は何かを検討する。それにより,聴覚障害児がどのように共同注意を形成していくのか、その一端を明らかにしていく。
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研究成果の概要 |
本研究では、母子の視線共有が前提となるおもちゃを介した遊びにおいて、共同注視や共同注意が形成される生後9カ月から12カ月の時期に、聴覚障害児ごとで母親を注視する行動に差は生じているのか、子どもとの視線共有を図るために、母親はどのような方略を通して子どもの注意を引きつけてかかわっているのかを検討した。その結果、すでに生後9カ月以前の聴覚障害児において、母親を注視する行動には差があることが推測された。また、母子の視線共有には、それまでの子どもにとっては受容的ともいえる母親の子どもを引きつける方略が重要であることが推測された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
聴覚障害児が、共同注意を形成するに当たって、その前提となる母子の視線共有の成立が重要となる。しかし、生後1年以前の段階で、母子により視線共有に差があることを明らかにした。また、母親の話ことばに合わせて、「指さし」「提示」「身振り」「操作」などを用いることが、聴覚障害児の注視の促しに有効てあることを明らかとした。 聴覚障害児の心の理論獲得は、健聴児と比較して、遅れることが知られているが、その要因の一つが、生後1歳までの母親のかかわりであることを示唆した、本研究の学術的意義は大きいと考える。
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