研究課題/領域番号 |
19K21001
|
補助金の研究課題番号 |
18H05809 (2018)
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0110:心理学およびその関連分野
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 友香理 京都大学, 教育学研究科, 助教 (00794075)
|
研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 乳児 / 脳波 / 触覚 / 多感覚 / 統合 / 身体接触 / 内受容感覚 / 感覚統合 / 多感覚統合 / 脳 / 発達 / 接触 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は次の二つである.①触覚経験が,乳児の脳活動パターンにどのような影響を与えるのかを検討すること,②安静時の身体生理状態や脳の活動パターンと①との関係を検討すること.上記2点について,二つの研究を行う.研究1では,成人を対象に,触覚経験の有無が,学習に関わる脳波の活動を高めるかどうかについて実験的に検討する.研究2では,乳児を対象に,触覚経験の有無が,学習に関わる乳児の脳波の活動を高めるかどうかについて実験的に検討する.さらに,研究2では,学習に関わる乳児の脳の活動性の個人差と,安静時の脳活動パターンやその時の乳児の身体生理状態との関連についても検討を行う.
|
研究成果の概要 |
本研究では他者に触れられる経験が乳児の身体生理状態や脳内情報処理過程に与える影響を実験的手法により検討した。生後5-9か月児を対象に、2名の見知らぬ他者顔を提示した時の心電図および脳波を計測した。一方の顔写真の提示時には、実験者が乳児の足をやさしくなで(触覚あり条件)、他方の顔写真の提示間にはそうしたはたらきかけをしなかった(触覚なし条件)。その後、同じ2名の顔写真を提示した時の乳児の心電図と脳波を解析した。その結果、触覚なし条件よりも触覚あり条件の方が脳活動が強かった(心電図と脳波との関連は現在解析中)。ここから、他者に触れられる経験が乳児の脳内情報処理パターンに影響することがわかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の研究成果として、他者に触れられるという経験が、乳児の脳活動を高めることが実験的アプローチによって明らかとなった。これまで、ほ乳類において、発達初期の親子間身体接触が、こども側の認知や情動の発達、アタッチメント等に影響を与えることを示してきた。本研究成果は、新たに、乳児の身体接触が乳児の脳機能発達を促進する可能性を示唆するものである。本研究は、発達初期の身体接触が、どのような仕組みで乳児期の心の発達に寄与するのかについての理解を深めることに寄与する。
|