研究課題/領域番号 |
19K21011
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補助金の研究課題番号 |
18H05819 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0110:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 東京未来大学 |
研究代表者 |
野中 俊介 東京未来大学, こども心理学部, 講師 (90821736)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ひきこもり / 家族 / 認知行動療法 / プロセス / 適応的行動 |
研究開始時の研究の概要 |
ひきこもり状態にある人の多くは,支援につながりづらいという特徴がある。したがって,とくに支援の初期段階においては,家族を対象とした心理的支援が重要である。 その一方で,ひきこもり状態の改善を目指して家族を対象とした心理的支援を行なう場合,必ずしも十分な改善までには至りづらい現状にある。その理由の1つとして,家族にどのような心理的または行動的変化が生じれば改善につながるかということが必ずしも明らかにされていない点があげられる。 そこで本研究においては,家族を対象とした支援に焦点を当てて,ひきこもり状態の改善に影響を及ぼす家族の要因を包括的に明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
家族の心理的ストレスや否定的認知,家族の「対応レパートリー」や「随伴性認知」に焦点を当てて,ひきこもり状態の改善におけるプロセス変数を包括的に検討した。 心理的ストレスを独立変数,子どもの適応的行動を従属変数,対応レパートリーを媒介変数,随伴性認知を調整変数とした調整媒介分析を行なった結果,随伴性認知が低い場合に対応レパートリーの間接効果が有意であったが,随伴性認知が高い場合には間接効果は有意でなかった。この結果は,ひきこもり状態の改善を目指す家族支援においては,心理的ストレスを低減させるアプローチに加えて対応レパートリーや随伴性認知に焦点を当てる必要があることを示している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ひきこもり状態は長期化すると心身の健康に悪影響を及ぼすことが知られている。その一方で,ひきこもり状態の改善に影響を及ぼす要因はほとんど明らかにされていない。本研究においては,初期段階において大部分を占める家族支援において,家族の心理的ストレス反応がひきこもり状態の改善に及ぼす影響性は,家族が十分な随伴性認知を持っていない場合は,家族の対応レパートリーの増加によって強まることが示された。 したがって,随伴性認知や対応レパートリーなどの家族の認知行動的特徴を適切にアセスメントし,その特徴に応じてアプローチしなければ,ひきこもり改善効果を得られづらいと考えられる。
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