研究課題/領域番号 |
19K21014
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補助金の研究課題番号 |
18H05822 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0110:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
竹田 剛 神戸学院大学, 心理学部, 准教授 (50823746)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 神経性過食症 / 摂食障害 / 自尊感情 / 自己概念 / 効果研究 / プロセス研究 |
研究開始時の研究の概要 |
神経性過食症患者の自尊感情の向上によって症状の改善をはかる集団療法がTakeda et al.(2017)によって開発されている。ただし各患者のニーズに対応できる柔軟な枠組みとして,セラピストと患者が1対1で行う個人療法の枠組みも求められている。 以上の観点から,神経性過食症患者の自尊感情を向上する個人療法の開発と評価を行う。まず上記の集団療法の効果として確認されている“参加者間で共感し合う体験”の具体的内容を明らかにし,高い被受容感を与えるセラピストの関わり方を検討する(研究A)。次にそれを活かして個人療法を開発する(研究B)。最後に神経性過食症患者への実践を通して効果を検証する(研究C)。
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研究成果の概要 |
神経性過食症の様々な症状を包括的に改善する治療法として,自尊感情の向上がある。ただし個々の患者のペースに合わせられるより柔軟な枠組みが求められている。そこで本研究では患者の自尊感情を向上する個人療法の開発と評価を行った。具体的にはTakeda et al. (2017)が開発した集団療法内の会話を質的に分析し,患者の被受容感を高めるためのプロセスを具体的に描いた(研究①)。その知見から患者の被受容感を高めるセラピストの関わり方について考察し,集団療法で開発した自己の捉え方を変容するワークと統合して個人療法を開発した(研究②)。最後に患者への実践を通して,一定の有効性を量的に確認した(研究③)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
感染症拡大の影響もあり改善の余地があるものの,開発された個人療法は自尊感情の向上や摂食障害症状の改善に対する一定の効果をもつと考えられる。この個人療法は,竹田ら(2016)で示された被受容感の向上と自己の捉え方の変容が組み込まれており,いわば統合的に実施されている治療法であるといえる。このことはFairburn (2008)などでは取り組まれていない統合性の高いアプローチとして国際的な注目を集めるものと考えられる。また患者らにとってより実感しやすく馴染みやすい治療法として広く実践されることになり,困難さを有する神経性過食症治療において新たな潮流を生み出す可能性を有していると考えられる。
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