研究課題/領域番号 |
19K21018
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補助金の研究課題番号 |
18H05826 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0110:心理学およびその関連分野
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研究機関 | 独立行政法人大学入試センター |
研究代表者 |
寺尾 尚大 独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 助教 (70827055)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 項目作成 / 受験者の誤答 / 学力の達成度を表す記述文 / 誤答選択肢 / 教育測定 / 誤答 / 試験問題の作成 / 試験問題作成 / 英語文章読解能力 / 学力達成度を表す記述文 / 学力診断 / 受検者の誤答 / 証拠中心デザイン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は,学力達成度を表す記述文と多くの受験者に見られる誤答の特徴を対応づけて試験問題を作成し,学力診断のための試験問題が満たすべき条件について知見を得ることである。研究1では,新学習指導要領を基に学力達成度を表す記述文を作成し,これに1対1対応する記述式問題の解答から受験者に見られる誤答の特徴を把握する。研究2では,学力達成度を表す記述文に1対1対応する多肢選択式問題を高校生に実施し,学力達成度を表す記述文と誤答の特徴を対応づける。研究3では,学力達成度を表す記述文に1 対1対応する多肢選択式問題において,受験者の学習のつまずきを捉えるのに適した誤答選択肢の組み合わせについて検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では,受験者の学力状態に関する診断を可能とする試験問題の作成を行うために,学力の達成度を表す記述文と受験者の典型的な誤答を利用する方法を用いる際の基礎的な事項に関する検討を行った。具体的には,測定しようとする学力についての認知モデルを想定し,試験問題の難易度に影響を及ぼすと考えられる要因を操作した場合に,確かにその要因によって試験問題の難易度が左右されているかどうかについて,検討を行った。結果として,誤答選択肢に反映させた誤答の種類が試験問題の難易度に大きな影響を及ぼしていたこと,同一の能力にアプローチする場合の問題形式の違いはそれに比べて影響力が大きくなかったことなどが明らかにされた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は,試験問題の作成にあたって,測定したい学力に関連した認知プロセスの中に含まれている要因の操作によって,確かに受験者に求める学力水準が影響を受け,試験問題の難易度の高低が変動していたことを示したことである。この結果は,測定したい学力が試験問題の要求する能力水準に写し取られていたことの証拠として機能し,測定の妥当性(validity)の高さを示している。試験問題が要求する能力水準を実証的に検討した事例を提供したとともに,学力の達成度を表す記述文の作成にも活用できる知見である。
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