研究課題/領域番号 |
19K21028
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補助金の研究課題番号 |
18H05838 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0202:物性物理学、プラズマ学、原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
遠藤 晋平 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (30824453)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 冷却原子気体 / 量子少数多体問題 / 量子物理学(理論) / 少数多体問題 / 極低温原子気体 / 量子クラスター / 量子物理学(理論) |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、極低温まで冷却した原子気体で観測される、量子力学的効果由来の束縛状態や共鳴状態(量子クラスター)を研究する。特に、近年実現された相互作用の強い極低温原子気体において、どのような量子クラスターが現れるか調べる。また、この量子少数クラスターが、多体媒質中でどのように振る舞うかを調べ、少数系と多体系の関係や協奏現象を探る。
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研究成果の概要 |
強く相関する量子少数系および多体系の示す普遍的な挙動の研究を行った。まず、角運動量が大きな量子3体問題について、相互作用形状の詳細を取り込む新たな手法の開発を行った。その結果原子間相互作用の長距離部分に由来する特有の効果が現れることを発見した。また量子3体相関がどのように量子多体現象に強い3体相関を示しうるかを調べた。その結果、強い3体相関に由来する量子相が発現するような系が冷却原子で観測可能なパラメータ領域に存在することがわかった。また普遍的な少数多体現象を詳細に解説する記事・講義ノートを日本語で初めて出版した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
冷却原子気体の実験で近年3原子が集まったクラスター状態が観測された。この発見以後、量子少数系を探る研究が急速に進展した。驚くことに、量子少数クラスターは、冷却原子、原子核、物質中の電子など全く異なる系が同じ挙動を示しうることがわかってきた。本研究ではそのような性質が従来研究されてこなかった、より複雑な場合において、同様に成立するかを探る研究であり、原子・原子核・電子など幅広い系について量子力学の示す本質をとらえようとするものである。また、本研究において出版した講義ノートは普遍的な少数多体現象を日本語で解説した初めての文献であり、次世代が量子の世界の本質を理解する一助になるものと期待される。
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