研究課題/領域番号 |
19K21031
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補助金の研究課題番号 |
18H05841 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0202:物性物理学、プラズマ学、原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
吉川 貴史 東北大学, 材料科学高等研究所, 助教 (60828846)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | スピントロニクス / スピンゼーベック効果 / マグノン / 磁性ガーネット / 中性子散乱 / スピン流 |
研究開始時の研究の概要 |
スピンゼーベック効果をはじめとする熱-スピン流変換現象の研究動向は、従来型の定性的・現象論的解釈に頼る研究スタイルから、磁性体中のマグノン励起特性(マグノン分散・寿命)の観点から現象の定量議論を試みるスタイルへと変遷を見せている。しかしながら、熱-スピン流変換現象のモデル物質である磁性ガーネットについては、マグノンの励起特性がこれまで詳細に測定されていない。これを踏まえ本研究の目的は、スピンゼーベック効果・熱スピン効果の発現を担う磁性体中のマグノン励起特性を中性子をプローブとして実験的に調べ、マグノン励起特性(分散関係・寿命)の観点から本現象の定量議論をすることである。
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研究成果の概要 |
本研究では、磁性ガーネット群の磁気励起特性(分散関係・寿命)を中性子散乱を基軸とした検出法により調べ、これらの情報をもとにスピンゼーベック効果(SSE)の信号特性を理解することを目指した。本研究を通じて、Y3Fe5O12(YIG)及び Tb3Fe5O12(TbIG)の磁気励起の全体像を解明することに成功し、LLG方程式に基づく理論計算と組み合わせることで、これら物質群のSSEの温度特性を説明可能であることを見出した。また、Bi-Ga置換のLuIG系において、低磁場域で巨大なマグノン-フォノン混成SSEを観測し、本結果が元素置換に伴うマグノン分散の変化と寿命低下によって理解できること示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、物性物理学の重要概念である“素励起”という観点から、熱スピン変換現象を包括的に理解するための指針が得られた。絶縁体スピントロニクス分野の基盤材料であるイットリウム鉄ガーネットYIGのマグノン分極を初めて観測したことは意義深く、今後本手法を利用して、より複雑な磁気構造をもつ材料のマグノン分散・分極の検出が期待されている。また本研究を通じて、これまで関係性が希薄であった中性子などを利用する量子ビーム分野とスピントロニクス分野とが有機的に結合していくための端緒が開かれたと言える。
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