研究課題/領域番号 |
19K21035
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補助金の研究課題番号 |
18H05845 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0202:物性物理学、プラズマ学、原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大門 俊介 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (20825434)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 熱流スピン流変換現象 / スピン流 / 熱流スピン流変換 / スピントロニクス / スピン流-熱流変換 / スピン流-熱流変換現象 |
研究開始時の研究の概要 |
スピントロニクス分野では、電子の自転の自由度「スピン」を利用した電子デバイスの開発が進められている。本研究では、スピンの流れであるスピン流と、熱の流れである熱流の変換現象に着目し、スピンに立脚した新原理の熱電技術の開拓を行う。スピン流は特徴的な拡散の長さスケールを持つことが知られており、熱流との相互作用も同等の長さスケールで現れると考えられる。この長さスケールを実験的に明らかにし、数値的なスピン流-熱流分布の解析と組み合わせることで、スピン流熱電変換の駆動原理の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
スピンペルチェ効果/スピンゼーベック効果はスピン流(電子の自転の流れ)を利用した次世代の熱電変換技術として注目を集めている。これらの現象の理解は未だ基礎研究の段階にあり、熱電変換効率の低さが課題となっている。この課題解決に向け、本研究では長さスケールの観点から熱電変換の原理を究明した。スピン流の流れる物質の厚さを系統的に変化させ熱電効果を測定し、測定結果を理論および数値計算を用いて解析することで、スピン流と熱流の長さスケールを解明した。本成果により、スピン流熱電効果の原理が明らかになり、熱電変換効率向上へ向けた重要な指針が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、スピン流熱流変換現象を支配する長さスケールを解明することにある。従来のエレクトロニクスに用いられてきた電流とは対照的に、スピン流は非保存流であるという事実から、スピン流熱流変換現象には物質固有の長さスケールが現れる。この長さスケールを実験および理論の両面から解析し、スピン流と熱流がそれぞれ特有の拡散長が存在することを明らかにした。本成果により、長さスケールという観点からスピン流を最大限に利用するための方策が導かれ、熱電変換効率向上に向けた指針が示された。
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