研究課題/領域番号 |
19K21036
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補助金の研究課題番号 |
18H05847 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0202:物性物理学、プラズマ学、原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
石川 裕也 福井大学, 遠赤外領域開発研究センター, 助教 (80825282)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 二重磁気共鳴 / ESR / NMR / DNP / 超低温 / 高周波 / meanderline / 電子スピン共鳴 / 核磁気共鳴 / DNP-NMR / 動的核偏極 |
研究開始時の研究の概要 |
希薄ドープ半導体(Si:P)を用いた固体量子コンピュータデバイスの実用化への課題は、31P核のスピンダイナミクスの情報を得ることである。初期化等の演算には31P核の磁気的な挙動を知る必要があるが、31P核が希薄なためNMRによる直接観測例は無く未解明である。31P核の希薄さを克服する手法として、電子スピン共鳴(ESR)による動的核偏極(DNP)効果を用いたDNP-NMR測定がある。DNPにより31P核スピンの『超偏極』状態を生じさせ、31Pの核磁化を相対的に増幅させることによりNMR信号の直接観測が容易となる。本研究ではDNP-NMRにより31P核のスピンダイナミクスを明らかにすることである。
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研究成果の概要 |
固体量子コンピュータ(QC)デバイス候補である希薄ドープ半導体(Si:P)の実用化に向けた重要な課題は量子ビットとして扱う31P核のスピンダイナミクスの情報取得である。初期化等の演算には31P核の磁気的な挙動を知る必要があるが、31P核が希薄なため核磁気共鳴(NMR)による直接観測例はなく未解明であり、本研究では31P核のNMRによる直接観測による磁気特性の解明を目指し、超低温ESR/NMR二重磁気共鳴用共振器の開発を行った。開発した二重磁気共鳴用共振器を用いSi:PがQCとして機能する超低温(T≦0.3K)高磁場(B>3T)領域下において31P核のNMRによる直接観測に世界で初めて成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Kaneが提唱したQCモデルSi:Pは、量子ビットの長いコヒーレンス時間と量子ビット数の拡張性を共に備えていることから有望視されている。Si:PはSi中に希薄にドープした31P核スピンを量子ビットとしドープ量によりビット数の制御が可能である。初期化等の演算には超低温(T≦0.3K)・高磁場(B>3T)領域下において31P核スピンをESR及びNMRにより制御する。本研究では上記領域下ににてESR/NMR二重磁気共鳴により31P核スピンを約83%偏極させることに成功し、31P核スピンの直接観測に世界で初めて成功した。本研究は固体QCの基礎研究としてSi:Pのスピン制御の実現性について明らかにした。
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