研究課題/領域番号 |
19K21037
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補助金の研究課題番号 |
18H05848 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0202:物性物理学、プラズマ学、原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
児玉 直人 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (80828971)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アーク / ヒューズ / 分光観測 / 空間分布 / 粒子密度 / 金属蒸気 / 分光 / プラズマ / 分光計測 / 開閉機器 |
研究開始時の研究の概要 |
自動車用ヒューズ内部で点弧するアークの迅速な消弧には,アーク特性(粒子組成や導電率など)の空間分布を測定し,測定結果に基づいてアーク消弧性能の向上方法を検討する必要がある.しかしながら,アーク特性の二次元分布計測に有効な方法は未だ開発されていない. 本研究では,アーク温度や特性の二次元計測法の開発を主目的とする.アークの放射特性に着目し,理論計算と実験的計測の結果の両者を用いることでアークの温度や組成を間接的に計測する.計測結果を用いることでアークの導電率などの特性の二次元的な分布を推定する. 本研究を達成することでヒューズ内部アークの特性解明を進めると共に,アークの計測技術の向上を目指す.
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研究成果の概要 |
本研究の目的は,珪砂が封入された限流ヒューズ内部で発生した直流アーク放電に対して,様々な粒子の数密度やガス特性に対する二次元観測方法を開発することである。本研究では,局所分光観測システムや申請者らが構築した二次元分光観測システムを用いた直流アークに対する発光分光測定,およびガス組成および特性計算コードを用いた高温アークの特性計算を実施した。その結果,珪砂封入空間内部で点弧する直流アークに対する温度計測および銅蒸気濃度評価に成功した。また,限流ヒューズを用いた大電流遮断時におけるアーク抵抗低下の原因が,アーク中の高い銅蒸気濃度による可能性が高い知見を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,直流遮断用の限流ヒューズにおいて高いアーク抵抗の維持が難しい原因を検討し,それがアーク中の高い銅蒸気濃度による可能性が高い知見を得た。また,高い銅蒸気濃度化の原因として,遮断過程でアーク周囲に形成されるフルグライト中に含まれる銅が再蒸発することによる可能性が高い知見が得られている。これは,限流ヒューズの高遮断容量化の指針を与える重要な成果であると考えられる。 また,本研究で開発された二次元分光観測システムは汎用性が高く,ヒューズ内部アーク以外の様々な放電・プラズマに対する二次元的な観測が可能である。この点でも,学術的意義が高いと言える。
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