研究課題/領域番号 |
19K21042
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補助金の研究課題番号 |
18H05857 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0202:物性物理学、プラズマ学、原子力工学、地球資源工学、エネルギー学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
小澤 知己 国立研究開発法人理化学研究所, 数理創造プログラム, 客員研究員 (80825993)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 冷却原子系 / 人工次元 / 人工量子系 / 物性物理 / トポロジカル物性 / 凝縮系物理 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の原子分子光物理学のテクノロジーの発展により、他の分野で知られていた様々な現象を原子分子光物理学の実験系を用いてシミュレートすることができるようになってきた。特に発展が著しいのは、従来固体電子系を舞台に発展してきた凝縮系物理の種々の現象を極低温に冷やした原子系(冷却原子系)で調べることである。本研究では、冷却原子の系において低次元系を用いて高次元物理現象を調べる「人工次元」のアイデアを発展させる。
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研究成果の概要 |
新しい人工次元の提案を行った。この提案では、ナノマグネットと結合したメゾスコピックリングにおいて、リング中の電子の運動の自由度とナノマグネットのスピン自由度を用いて二次元の磁場中の荷電粒子と同等の状況を作れることを示し、トポロジカルエッジ状態が永久電流として観測可能であることを示した。また、冷却原子系において多体系や不純物系でトポロジーや幾何学的構造を測定する方法も提案し、多体の幾何学的構造が局在と関連していることも指摘した。他にも、人工次元についての総説も執筆した。また、実験家と協力し、励起子ポラリトンやダイヤモンドNV中心におけるトポロジー・幾何学的構造の観測も行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
低次元系で高次元物性を調べる人工次元の方法は、凝縮系物理の適用範囲を格段に広げ、凝縮系物理が今後切り拓くべき新たな地平を与える。本研究では、冷却原子を中心に研究されてきた人工次元をメゾスコピック系という電子系に適用範囲を広げることに成功している。電子系という凝縮系物理のメインテーマに人工次元を導入することで、今後より多くの研究者が人工次元に参入する下地を与えることができたのではないかと考えている。また、人工次元に関する初めての包括的総説を書いたが、これによってより多くの研究者が人工次元研究に参入する障壁を低くすることに貢献できたのではないかとも考えている。
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