研究課題/領域番号 |
19K21043
|
補助金の研究課題番号 |
18H05858 (2018)
|
研究種目 |
研究活動スタート支援
|
配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0203:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
野田 浩司 東京大学, 宇宙線研究所, 准教授 (00816837)
|
研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 高エネルギーガンマ線 / 突発天体 / ガンマ線バースト / チェレンコフ望遠鏡 / 電源システム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、チェレンコフ望遠鏡アレイ国際共同実験による、宇宙で突発的に起こる天体の理解である。スペイン・ラパルマ島にある大口径望遠鏡を用いて、ガンマ線バーストなどの突発天体を発生直後20秒以内で観測する。そのためには、望遠鏡を高速で駆動する必要があり、必要な大電力を一時的に供給するための特別な電源システムの整備が鍵となる。本研究では、同電源システムを観測所に統合する開発・設置を行う。
|
研究成果の概要 |
チェレンコフ望遠鏡アレイ(CTA)国際共同実験において、ガンマ線バーストなどの宇宙で突発的に起こる天体現象を即座に観測し、その性質を理解することを大目的とした。CTAの大口径望遠鏡(LST)を20秒以内にあらゆる天体に向けて観測を始めるには、高出力の電源システムが必要となる。本研究ではまず、同電源システムの監視・管理システムを整備し、望遠鏡の安定運用を達成し、無事にかに星雲からのガンマ線信号を期待通りに得た。また、LSTのモデルであり、同じ観測地で稼働中のMAGIC望遠鏡を用いて、ガンマ線バーストからのテラ電子ボルト以上の高エネルギーガンマ線を初検出し、ガンマ線放射機構への知見を得た。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ガンマ線バーストの素性は長らく謎に包まれていたが、今世紀に入り研究が活発化し、メガ電子ボルトのガンマ線やエックス線、さらに長い(エネルギーの低い)波長領域での理解が進んだ。しかしギガ電子ボルト以上のガンマ線放射については、放射機構は謎のままであり、テラ電子ボルトに至っては未発見であった。本研究はこれを突破する初の発見となり、そのインパクトは非常に大きい。本成果はMAGIC望遠鏡によってなされたが、CTA LSTは言わばMAGICのアップグレード版であり、MAGICでの発見が今後LSTに引き継がれ強力に進むことは疑いがない。その意味でLSTを安定運用につなげた本研究の成果も同様に重要である。
|