研究課題/領域番号 |
19K21044
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補助金の研究課題番号 |
18H05859 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0203:素粒子、原子核、宇宙物理学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川口 恭平 東京大学, 宇宙線研究所, 助教 (60822210)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 重力波天文学 / 電磁波対応天体 / kilonova |
研究開始時の研究の概要 |
連星合体に付随する電磁波現象の中でもkilonovaという現象は、連星合体後の系の進化を反映するため、その光度曲線から強重力、高密度、強磁場、高温の極限環境における物理情報に迫れると期待されている。本研究ではkilonovaの光度曲線を方向依存性や多成分の放出物質の寄与を正確に考慮して予測できる計算コードを用い、放出物質の成分の質量、速度、密度分布を系統的に変えた輻射輸送計算を行うことで、それらに対するkilonova光度曲線の依存性を明らかにする。また、計算した結果をベースに機械学習によるフィッティングモデルを作成し、観測から系のパラメータを見積もる枠組みを構築することを目的とする。
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研究成果の概要 |
多波長モンテカルロ輻射輸送計算コードを用いて、放出物質の質量、速度、密度分布、物質構成を系統的に変えたkilonova光度曲線の計算を行った。特に、最新の数値相対論シミュレーション、元素合成計算、さらにr-process元素の原子計算の結果をベースにし、想定される様々な合体シナリオにおける光度曲線の特徴を予測した。得られた光度曲線モデルを実際に得られた観測結果に用いて、電磁波現象の母天体の解釈、パラメータ制限を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
初の連星中性子星合体からの重力波イベントGW170817以降、多くの中性子星連星合体からの重力波イベント候補が報告されており、それらに伴うkilonovaフォローアップ観測も勢力的に行われている。そうした中kilonova光度曲線を輻射輸送計算によって系統的に調べ、その放出物質の質量や速度、形状、物質構成に対する依存性を明らかにする事は急務である。この研究において得られた光度曲線と放出物質の性質の間の系統的な理解、ならびにそのモデルの適用例は、観測されたkilonovaの光度曲線から放出物質の性質の情報にせまるための基礎となるものである。
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