研究課題/領域番号 |
19K21048
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補助金の研究課題番号 |
18H05866 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0204:天文学、地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
無盡 真弓 東北大学, 理学研究科, 助教 (60822004)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | ウルトラナノライト / ナノライト / マイクロライト / 石基 / マグマ / 核形成 / 結晶成長 / その場観察 / ナノ結晶 / 火山噴火 / 石基結晶 / その場観察実験 |
研究開始時の研究の概要 |
火道の浅部まで上昇できたマグマは、高温のまま減圧脱水により大きな過冷却状態におかれ、無数のナノ結晶を晶出する。ナノ結晶の晶出により、マグマの粘性は劇的に高くなり、小さな歪み速度で脆性破壊がおこり、火山灰や軽石が形成されやすくなる。つまり、ナノ結晶の有無が火山の噴火様式の重要な決定要因となる。本研究では、加熱ステージを備えた高分解能の電子顕微鏡を用いて高温のマグマ中のナノ結晶の核形成・成長の“その場観察”実験を行い、ナノ結晶の核形成・成長速度と核形成・成長機構を実験的に解明する。そして、その速度を利用して、噴火様式の分岐が浅部でおこるときのマグマの上昇速度を明らかにする。
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研究成果の概要 |
高分解能の電子顕微鏡下において、高数密度で晶出する30nm以下の結晶(ウルトラナノライト)と、それよりも数密度の低くサブミクロンからマイクロメートルスケールの結晶(ナノライト・マイクロライト)の高温(約1000℃)マグマからの結晶化のその場観察に成功し、それらの結晶化条件に制約を与えることができた。また、近年提唱されている非古典的な核形成経路によく似た合体成長を、100nm以上の金属粒子(鉄、白金)においても観察することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
天然の火山噴出物中には無数のナノ結晶(ウルトラナノライト)が晶出していることがあり、このナノ結晶がマグマの粘性を劇的に増加させ、噴火様式を支配している可能性が示唆されている。しかし、そのナノ結晶が単なる大きい結晶の小さい時なのかといった基本的な晶出条件すらわかっていない。本研究では高分解能の電子顕微鏡下で高温マグマの結晶化の“その場観察”に成功し、その晶出条件を制約できた。この成果は噴火のメカニズムの解明と結晶成長機構の解明に繋がる。
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