研究課題/領域番号 |
19K21049
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補助金の研究課題番号 |
18H05867 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0204:天文学、地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 (2020-2021) 東京大学 (2018-2019) |
研究代表者 |
増野 いづみ 岡山大学, 惑星物質研究所, 特任助教 (50822102)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 高温高圧実験 / 下部マントル / ダイヤモンドアンビルセル / 外熱式 / 超高圧実験 / 超高温高圧実験 / 地球深部 / 超高圧 / マントル鉱物 / 高温高圧 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、実験的に温度・圧力を正確に決定しマントル鉱物の物性を測定することで、地球深部の地震波異常の原因の解明を目指す。現在主流のレーザー加熱法では測定試料中の温度勾配が大きく(±200 ℃)、弾性波速度の温度組成依存性を決めることが困難であった。これが地震波速度異常の解釈を難しくしてきたが、外熱式加熱は温度勾配を小さくすることができ(±数10 ℃程度)、さらに本提案では外熱式ダイヤモンドアンビル高圧装置用に真空チャンバーを導入することで、従来報告されている数倍の温度圧力条件である実際の下部マントル温度圧力での精密な物性測定が実現し、下部マントルの地震波異常の原因を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究では、真空チャンバーおよびグラファイトをヒーターに用いるなど、外熱式ダイヤモンドアンビルセル高圧発生装置のセル構成を工夫することにより、実際の地球下部マントルに相当する高温高圧を発生させ、X線回折法や各種分光法と組み合わせることで、マントル物質の物性を詳らかにすることを目的として研究を実施してきた。当該の外熱システムを用い、放射光を用いた実験にて下部マントル温度圧力を発生させ、マントル鉱物のX線回折データを取得し、下部マントルの地震波不連続の原因について考察した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
放射光施設において当該の外熱式ダイヤモンドアンビルセルシステムを用いた高温高圧X線回折実験を行った結果、先行研究で予測されている新相の圧力領域よりも5 GPa以上高い圧力にて、Mg(OH)2の低圧相由来でもなく、Mg(OH)2の脱水分解で生じるであろうMgO由来の回折線でもない、新しい回折線が観察された。得られたX線回折データを解析し、計算で予想されている新相との関係を考察し、含水鉱物の相図を再検討した。新相が予想されているよりも高圧側に存在することで、下部マントルに存在する地震波不連続面の成因になりうるかもしれず、この相が存在することでマントル内部の水の循環に影響を与える可能性がある。
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