研究課題/領域番号 |
19K21052
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補助金の研究課題番号 |
18H05871 (2018)
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研究種目 |
研究活動スタート支援
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配分区分 | 基金 (2019) 補助金 (2018) |
審査区分 |
0204:天文学、地球惑星科学およびその関連分野
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
千徳 明日香 琉球大学, 理学部, 助教 (00722802)
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研究期間 (年度) |
2018-08-24 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | イシサンゴ / 骨格形成 / 形態形成 / 無藻性イシサンゴ / 骨格形成様式 / 生物多様性 / 無性生殖 / 時計遺伝子 / バイオミネラリゼーション / 微細構造 / 深海サンゴ / 成長形態 / 群体 / 無藻性サンゴ |
研究開始時の研究の概要 |
サンゴ骨格中に記録された成長線及び同位体・微量元素変動や,それらの周期性は古環境復元の重要な指標となっている.しかし,環境情報が如何に骨格中に保存されるのかといった,ナノ~ミクロレベルでの骨格形成の詳細はいまだ明らかになっていない.本研究では,無藻性サンゴのバイオミネラリゼ-ションにおける有機-無機プロセスを統合した骨格構造解析法を確立し,1日周期(概日)の生体リズム,時計・石灰化遺伝子の発現,1日~1年に形成される骨格中の“周期構造”の解析を進める.学際的な研究を進めることで,ミクロ‐マクロ形態と短期‐長期時間軸を含めたサンゴの骨格形成様式の時間・構造・環境情報の相互関連性の解明を試みる.
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研究成果の概要 |
本研究では,南西諸島を中心とした水深100-400mの生息場の調査やサンプリングを行った.骨格分析に関しては,各種顕微鏡, SEM,EDXなどを用いて詳細に観察した.その結果,単体とされていたサンゴ種は,環境に応じて群体を形成する高い形態学的可塑性を有し,単体または群体が深海イシサンゴ類において頑丈な分類形質ではない可能性を示唆した.サンゴ生体は複数の時計遺伝子の存在を確認した.今後はサンゴ骨格の続成作用を踏まえた骨格微細構造解析と,同位体測定などの地球化学的分析を組み合わせた研究手法により,高解像度の古環境復元を行うことを予定している.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでのイシサンゴの成長線研究は,古水温変動や時間軸を読み取るツールとして,その示相性や示準性に重きがおかれてきた.しかし,本研究は日輪といった微小スケールの成長線が,実は石灰化における造骨細胞などの日周活動と対応可能であることに注目し,微細な骨格構造から骨格形成時の細胞活動履歴を読み解く手がかりを得た.また,それを解き明かすため,褐虫藻との共生など成長線形成時の外因を可能な限り排除できる無性生殖由来の非造礁性サンゴを用いることは,従来のサンゴのバイオミネラリゼーション研究では成しえなかった新しい試みである.
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